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家・住宅購入コラム

家を買うのに適した年齢は?年代別のメリットと注意点などについて解説

「家を買う」、それは一生に一度の買い物といわれているほどの大きなライフイベントです。大きな楽しみの反面、不安も大きいのではないのでしょうか。

将来家を買いたいと考えている人向けに、当記事では家を買うのに適した年齢などについて解説していきます。

主な解説内容は以下のとおりです。

当記事を読むことで、家を買うのに適した年齢や年代ごとのメリットと注意点などについて理解することができるでしょう。

家を買うのに適した年齢や年収

「やっぱり一生に一度の買い物だから自分の家がほしい。でもまだ若いし今の年収では買えないんじゃないかな」などと思っている人も多いのではないでしょうか。かくいう筆者もそのなかの1人です。

ここでは一般的に家を買うのに適している年齢と年収について解説していきます。

一般的に30~40代が適している年齢

一般的に家を買うのに適している年齢・年代は30〜40代がよいとされています。結婚や子育ての時期もちょうど30〜40代くらいなので、今まで賃貸暮らしをしていた場合などは部屋が手狭になったり、家賃と同等程度の返済額で家を買えたりするためです。

上記の点から、一般的に家を買うのに適している年齢は30〜40代くらいがよいでしょう。

年収は400~600万円未満が相場

では年収の面ではどうでしょうか。家を買う人の一般的な年収は400〜600万円未満が最も多く、次いで600〜800万円未満となっています。建てる家の規模にもよりますが、家を買うための資金は2,000〜3,000万円くらいが相場であり、返済期間もおおよそ35年と長期です。

つまり家を買う場合は安定した年収を考慮して住宅ローンを組まなければ返済が苦しくなり、最悪の場合、せっかく買った家を手放さなければならないといった事態にも発展します。

参考文献:令和2年度 住宅市場動向調査報告書 国土交通省 住宅局

家を買う年代別のメリットと注意点

ここからは年代別で家を買うメリットと注意点について見ていきましょう。

20代で家を買うメリットと注意点

20代で家を買う人のメリットと注意点は、下表のとおりです。

メリット 注意点
・リタイアするまでに住宅ローンが完済できる
・老後資金を確保できる
・健康であることがほとんどなので団体信用生命保険の
加入も容易
・年収が引っかかりあまり高価な家を買うのが
むずかしい
・資金的に余裕がない場合が多い

 
20代のうちに家を買う人はあまり多くはないものの、まったくのゼロではありません。さすがに20代前半ではあまりいないかもしれませんが、家を買う人のおよそ1割が20代といわれています。

ただし、30代に差し掛かってくると結婚して家族が増える人も出てきますので、家を買うという人もいるでしょう。年収が引っかかる場合でも夫婦の年収合算で住宅ローンが組めるケースがあるので、若いうちにがんばって家を買っておけば、リタイアするまでに住宅ローンを完済してゆとりある老後を過ごすこともできます。

まさに「若いうちの苦労は買ってでもしろ」です。若い夫婦で協力し合い、がんばって返済していきましょう。

30代で家を買うメリットと注意点

30代で家を買う人のメリットと注意点は、下表のとおりです。

メリット 注意点
・30代前半のうちだと定年までに完済できる
可能性もある
・家族構成が固まってくる時期なので間取りなどの検討がしやすい
・20代よりも年収で有利のため希望どおりの家を
買うことができる
・住宅ローンの審査に通りやすい
・35年ローンを組むとリタイアまでに完済が間に合わないケースもある
・家を買ったあとに家族が増えると手狭になる場合がある

 
一般的に30代で家を買う人が多いですが、35年ローンで住宅ローンを組むとリタイア後も住宅ローンを支払い続けなければならない点も考える必要があります。そのため35年ローンで住宅ローン組んだ場合でも、可能であれば定期的に一部繰り上げ返済をしていったほうがよいでしょう。

また、30代はまだ若いので家を買ってから家族が増えるといったケースも考えられます。
設計の段階で、家族が増えることも想定した間取りにしたほうがよいでしょう。

40代で家を買うメリットと注意点

40代で家を買う人のメリットと注意点は、下表のとおりです。

メリット 注意点
・資金的に余裕がある場合も多い
・住宅ローンの審査に通りやすい
・45歳以降は35年ローンが組めないなど不利な点も出てくる
・持病があると団体信用生命保険に入れないケースもある

 
昨今は晩婚化などの影響もあり、40代で家を買う人も決してめずらしくありません。40代ともなれば一般的に会社ではそれ相応の役職に就き、部下を抱える立場となっている人も多いでしょう。

そのため、年収面で引っかかるといったことはあまりなく住宅ローンの審査も通りやすいです。

ただし、40代に入ると若い頃と違い持病持ちとなるリスクが高くなります。団体信用生命保険に加入できないと家を買うこともむずかしくなるので、健康なうちに家を買いましょう。
また、45歳以上となると、35年ローンが組めなくなるケースもあることを忘れてはいけません。仮に35年ローンが組めたとしても80歳近くまで返済が続くので、リタイア後も住宅ローンの返済に追われてしまいます。

30代で家を買う人以上に、繰り上げ返済について計画しておくことをおすすめします。

50代以降で家を買うメリットと注意点

50代で家を買う人のメリットと注意点は、下表のとおりです。

メリット 注意点
・子どもも独立していることが多いため終の棲家
として計画しやすい
・団体信用生命保険に入れない場合がある
・老後資金がなくなるリスクがある

 
一般的に50代ともなれば、子どもも社会人となり独立する時期ではないでしょうか。若いうちに家を買った場合は、子どもがいますので子ども部屋なども設けなければなりません。

ただし、50代で家を買う場合は最初から夫婦2人の終の棲家を想定して計画もしやすいといったメリットもあります。そのため、大きな家である必要もなくこじんまりとした家でゆっくり老後を過ごすこともできるでしょう。

とはいえ、50代で家を買う場合は40代以上の健康リスクもあることを忘れてはなりません。また、無理をして家を買ったがために老後資金がなくなるリスクもあるので綿密な計画を立てて買うようにしましょう。

可能であれば親子リレー返済を利用するのも手段のひとつです。住宅ローンの融資を受ける金融機関に親子リレー返済は可能か問い合わせてみるのもよいでしょう。

家を買うときに知っておきたいこと

つぎは、家を買うときにあらかじめ知っておきたいことについて解説していきます。

土地がない場合、まずは土地探しから

当たり前のことですが、家を買う場合は建てる土地がなければどうにもなりません。土地を持っていて、その土地に建てるというのなら問題ありませんが、土地がない場合はまずは土地探しからはじめましょう。

土地情報は最寄りの不動産業者の物件情報から仕入れることができます。条件の合った土地を見つけたら押さえておきましょう。

ちなみに、土地から買う場合は価格交渉できるケースもあります。大都市ではともかく、筆者の住んでいるような地方の小さな街では土地建物の売買はなかなかありません。そのため、買い手がついた場合は額面より多少値下げしても買ってほしいというのが売り手側の本音みたいなものです。

融資先の金融機関

家を現金一括で買う人はほぼいないため、金融機関から住宅ローンを借りる必要があります。金融機関によって扱っている住宅ローン商品や審査基準が異なりますので、複数の金融機関に住宅ローンの相談をし、自身にとって条件のよい金融機関を選びましょう。

団体信用生命保険

家を買うときに忘れていけないのが、団体信用生命保険(略して団信)です。住宅ローンの返済は長年にわたるので、貸す側借りる側双方ともにそれ相応のリスクが生じます。通常の団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が万一の時もしくは高度障害となった場合に残債が団体信用生命保険で支払われるという保険です。

団体信用生命保険も生命保険の1つですので、健康でなければ加入できません。家を買うときは、勤続年数や年収だけでなく健康状態にも留意しましょう。

ちなみに団体信用生命保険の特約として三大疾病(ガン・脳血管疾患・心疾患)特約もつけることで保障の幅を広げることもできます。三大疾病特約をつけることで住宅ローンの金利は高くなりますが、三大疾病を気にしている人は三大疾病特約もつけておくとよいでしょう。

家を買うときの注意点

最後は家を買うときに注意しておきたい点について見ていきましょう。

借入限度額=返済可能額ではない

よく間違えるであろう点として、借入限度額=返済可能額と思っている人が多いことでしょうか。たしかに、年収が高ければ高いほど借入限度額は上がります。ただし、借入限度額いっぱいに住宅ローンを借りると返済が大変となるのが火を見るより明らかです。

・借入限度額 ⇒ 借入可能金額の上限
・返済可能額 ⇒ 将来にわたって無理なく返済できる金額

借入限度額と返済可能額は、一見似ているようでまったく別の性格をもっています。
そのため、金融機関から借入限度額を提示されても借入限度額いっぱいの融資を受けることはおすすめしません。

家を買ったら確定申告をしておいたほうがよい。

民間のサラリーマンなど会社勤めをしている人であれば、年末調整をするため基本的に確定申告をすることはないでしょう。ただし家を買った場合は、確定申告をしておくのをおすすめします。

返済期間が10年以上の住宅ローンを組み新築または増改築をした場合、実際に居住を開始した日から10年間は住宅借入金等特別控除を確定申告することで、年末時点での住宅ローン残高の1%が所得から控除されます。

ただし、令和4年以降は法改正により13年間に延長され住宅借入金等特別控除も0.7%へ削減されました。
単なるパーセンテージだけで見たらたったの1%(令和4年以降は0.7%)ですが、住宅ローンの残高が3,000万円だとすれば30万円(令和4年以降は21万円)が所得控除されることになるので結構大きな差です。

確定申告はなかなかむずかしい手続きですので、わからない場合は最寄りの税務署や税理士に相談に行きましょう。

参考文献:No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
参考文献:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

まとめ

ここまで家を買うのに適した年齢や年代別のメリットと注意点などについて解説してきました。

家を買う年齢・年代としては、おおむね30〜40代が一般的です。今まで賃貸住まいであったものの、家族が増えて手狭になったり子ども部屋がほしいといったりといった理由で家を買う人が多いです。

若ければ若いほど現役のうちに住宅ローンを完済できる可能性が高まりますので、老後資金も確保できます。ただし、40歳前後で家を買う場合は一部繰り上げ返済などの手段も取り入れることが、老後の負担を軽減するためにも必要となってくるでしょう。

また、住宅ローンを組むときは団体信用生命保険も加入しなければなりませんので、年収や勤続年数だけでなく健康である必要もあります。「健康は第一の富である」という言葉があり、家を買うときは健康であることが年収や勤続年数よりも重要です。

いずれにしても家を買うということは、長期にわたる返済がついて回るので、無理なく返済していけるように住宅ローンを組むことが重要です。

日向 弘薫

所属会社:
株式会社 末広不動産
所属会社のWEBSITE:
https://www.suehiro-re.co.jp/
保有資格:
AFP(日本FP協会認定)、モーゲージプランナー 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、 NPO法人相続アドバイザー協議会会員

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