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家・住宅購入コラム

東京の注文住宅の相場はいくら?エリア別の相場も徹底分析

ウッドショックやアイアンショックが起きたため、注文住宅の建築費が全国的に上がってきています。土地付き注文住宅所要資金の全国平均は2013年度以降8年連続で上昇、注文住宅所要資金の全国平均は2014年度以降7年連続で上昇しています。
 
そのような中、東京の注文住宅の建築費はどのように推移しているのでしょうか、また地域ごとの注文住宅の建築費用はどのようになっているのでしょうか。
 
本記事では、東京の注文住宅の建築費用を中心に、他の地域の建築費などの推移や建築費用を借りることができるおおよその年収、建築費を抑える方法などを紹介します。
 

東京の注文住宅の相場

 

 
最初に東京の土地付注文住宅の相場を紹介します。東京の土地付き注文住宅所要資金の全国平均は、全国平均同様2013年度以降8年連続で上昇しています。
 
東京は全国平均よりも約760万円高く、全国的に見ても飛びぬけている印象を受けます。これは土地の価格が影響をしており、東京の土地の価格が他の地域より高いため、土地と注文住宅の合計所要資金が上がっています。
 
2020年度土地付注文住宅の所要資金

全国平均 4,397万円
首都圏 5,162万円
近畿圏 4,540万円
東海圏 4,412万円
その他地域 3,949万円

引用:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」より作成
 

東京の土地代の相場

 
東京都内の土地代の相場は、23区内でも金額差が大きく、郊外になるとより金額差が出てきます。
東京都内の主な地域の平均土地相場を2021年の公示価格から算出し、表にまとめました。
 
東京の主な土地㎡単価平均

千代田区 約276.2万円/㎡
港区 約202.9万円/㎡
渋谷区 約130.6万円/㎡
中央区 約128.9万円/㎡
文京区 約99.3万円/㎡
新宿区 約79.9万円/㎡
杉並区 約53.8万円/㎡
足立区 約31.4万円/㎡
武蔵野市 約56.5万円/㎡
調布市 約33.8万円/㎡
立川市 約24.9万円/㎡
八王子市 約11.6万円/㎡

 
東京都内で一番価格が高いのは千代田区で㎡単価約276.2万円(坪単価約911万円)、東京都内で一番低かった区・市は八王子市で㎡単価約11.6万円(坪単価約38万円)でした。東京の土地の価格について、東京都が公表している2020年東京都基準地価格によると、住宅地の平均価格が23区全域で60万100円/㎡、東京都全域で37万8,100円/㎡でした。
 
これはあくまで単価の話であり、総額平均ではありません。都心部から離れていくと単価は安くなりますが、購入する土地面積は大きくなる傾向があり、土地の総額として安くなるということではありません。
 

東京の注文住宅の建築費の相場

 
土地付注文住宅の所要資金は前述したとおりですが、次は注文住宅だけの所要資金を紹介します。
 
東京の注文住宅の所要資金は全国平均と同じく、2014年度以降7年連続で上昇しています。しかし、注文住宅の所要資金は他の地域と比べて、特に東京が突出して高いというわけではありません。
 
なお、建築費用が上昇する背景には、ウッドショックとアイアンショックが影響しています。両者とも木材と鉄材の価格が高騰していることを、以前起きたオイルショックになぞらえてこのように呼びます。
 
価格高騰している理由は複雑で、アメリカの住宅事情の活性化、アメリカの林業者のストライキ、コロナによる宅配の活性化で引き起こされる輸送コンテナ不足などさまざま理由が重なって起きています。価格が落ち着く見込みがないため、今後も価格が上昇していくのではないか、と言われています。
 
2020年度注文住宅の所要資金

全国平均 3,534万円
首都圏 3,808万円
近畿圏 3,746万円
東海圏 3,606万円
その他地域 3,356万円

引用:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」より作成
 

東京で平均的な広さの注文住宅を建てるときの相場

 

 
東京で注文住宅を建築する費用はどのくらいなのか計算するには、東京で建築されている注文住宅の平均面積と、東京で購入される一般的な土地面積を知る必要があります。ここからは東京の注文住宅の平均面積と土地面積、東京で注文住宅を建築する場合の平均建築費用を紹介していきます。
 

東京の平均延床面積と土地の相場

 
国土交通省の「令和3年度住宅関連経済データ」によると、東京の注文住宅平均延床面積は、約65.90㎡とされています。
 
65.90㎡の2階建て注文住宅を建築すると仮定し、一般的な土地に建物を建築するときに、どのくらいの大きさの土地面積が必要なのか見ていきましょう。
 
今回は一般的な土地として「第一種住居地域」を基に計算をしてみます。第一種住居地域は、建ぺい率60%、容積率200%に設定されることが多いため、この数値で算出します。
 
【例】
 
2階建て注文住宅、①延床面積:65.90㎡を②1階部分:32.95㎡、2階部分:32.95㎡に分け建築
③建ぺい率:60%、④容積率:200%(その他の建築に必要な要件は割愛)
 
②32.95㎡ ÷ ③60% = ⑤約55㎡
 
つまり、この場合は土地面積が55㎡以上ないと、1階部分32.95㎡は建築できないことになります。
 
また、容積率に収まっているかも見ていきましょう。
 
⑤55㎡ × ④200% = ⑥110㎡
 
つまり、この土地には延床面積110㎡までなら建築できることになります。
そのため、①69.50㎡< ⑥110㎡のため延床面積はクリアしています。
 

東京の注文住宅を建てるための平均コスト

 
東京の建物の平均延床面積は69.50㎡、その延床面積を建築できる土地面積が55㎡でした。ここからは、この基準を利用して、東京の注文住宅を建てるための平均コストを計算していきます。
 
前述のとおり、住宅地の平均価格は、23区全域で60万100円/㎡、東京都全域で37万8,100円/㎡でした。
 
土地の価格を23区内と東京都内の金額をそれぞれ計算します。
 
①23区内の住宅地平均金額:60万100円/㎡
②東京都全域の住宅地平均金額:37万8,100円/㎡
③土地面積:55㎡
 
東京23区
①60万100円/㎡ × ③55㎡ = 約3,300万円
東京都全体
②37万8,100円/㎡ × ③55㎡ = 約2,080万円
 
そして、東京都内の注文住宅所要資金の平均を土地金額に足します。
 
①東京23区内の平均住宅地価格:約3,300万円
②東京都全体の平均住宅地価格:約2,080万円
③東京都の注文住宅所要資金:3,808万円
 
東京23区
①約3,300万円 + ③3,808万円 = 約7,108万円
 
東京都全体
②約2,080万円 + ③3,808万円 = 約5,888万円
 
東京23区内で土地付注文住宅を建築する場合は約7,108万円が必要、東京都全体で土地付注文住宅を建築する場合は約5,888万円が必要だということがわかりました。
 
住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」では東京都全体の土地付注文住宅を建築する場合は約5,162万円必要という結果でしたので、計算上の約5,888万円と近い金額となっています。また、23区内の土地付注文住宅の金額は飛びぬけて高いこともわかります。
 

東京で注文住宅を建てるための年収の目安

 
お金
 
東京23区内の土地付注文住宅の金額は約7,108万円、東京全体の土地付注文住宅の金額は約5,888万円と計算することができました。この金額を購入すると考えた場合、いくらくらいの年収があれば、住宅ローンを物件金額の全額分借りられるのでしょうか。
 
ここからは、先程計算した土地付注文住宅の金額全額を、住宅ローンで借りるのに必要な年収を計算していきます。
 
なお、計算の条件は、次のとおりとします。
 
・借入期間は35年
・ローンの年間返済額は年収の25%くらいに抑える
・住宅ローン審査金利は3%前後が多いため金利は3%で計算
 

23区内なら年収1,350万円以上

 
東京23区内の土地付注文住宅の金額約7,108万円を全額借りようとする場合は、年収が約1,350万円必要となります。このときの返済額はおおよそ27万円です。
 
これはあくまで審査用金利で計算しているため、金利1%で借り入れをする場合は、月々返済約20万円、ボーナス時支払い約20万円になります。
 

東京都全体なら年収約1,090万円以上

 
東京23区内の土地付注文住宅の金額約5,888万円を全額借りようとする場合は、年収が約1,090万円必要となります。このときの返済額はおおよそ22.5万円です。
 
こちらも審査用金利で計算しているため、金利1%で借り入れをする場合は、月々返済約16.7万円、ボーナス時支払い約16.7万円になります。
 

目安以下の年収でも注文住宅を建てることは可能

 
前述した目安年収は、計算条件に「年収の25%以内の年間返済金額」という条件を入れましたが、この要件があると必要な年収が上がってしまいます。
 
月々返済を年収の25%に抑えるよう計算をしているため、月々返済の支払いがもっとできるという人の場合は、住宅ローンを借りる年収がもう少し低くても借り入れすることは可能です。
 
例えば、「年収の25%以内の年間返済金額」条件をなくすことにより、東京23区内で土地付注文住宅を購入する場合の必要目安年収は約1,090万円、東京都全体で土地付注文住宅を購入する場合の必要目安年収は約880万円くらいまで下がります。
 
ただし、審査する金融機関や、審査される人の状況により借り入れ可能年収が変動したりするため、金融機関などへの相談をするようにしましょう。
 

注文住宅を建てるための総費用

 

 
注文住宅を建築するとき必要な費用は大きく分けて3種類に分けることができます。建物そのものを建てるのに必要な本体工事費用、庭や門、地盤工事など建物以外の工事に必要な付帯工事費用、その他建築にかかわる諸費用の3種類です。本体工事費用と付帯工事費用を合わせて建築工事費用と呼びます。
 
また、土地を購入しなければならないときは、土地購入費用や土地購入にかかわる諸経費を払う必要があります。
 

東京で安く注文住宅を建てるために

 
コストダウン
 
東京都内で注文住宅を建築する場合は費用が高額になるため、費用を抑える方法を知っておくことが大切です。注文住宅の費用を抑える方法はいくつかあるため、その方法などを紹介していきます。
 

東京23区外に注文住宅を建てる

 
東京23区内の土地付注文住宅の金額は約7,108万円、東京全体の土地付注文住宅の金額は約5,888万円と計算しましたが、23区内と東京全体の金額は1,220万円もの開きがあります。
 
そのため、23区内にどうしても注文住宅を建築したいという理由がなければ、東京都心部へのアクセスが良い、23区近郊で土地を購入すると良いでしょう。
 

複数社から相見積もりを行う

 
ハウスメーカーや工務店で注文住宅を建築する場合には、必ず相見積もりを取得します。各社の見積もりは記載内容が違っていたり、項目の一部が異常に高かったりします。各社の見積もりを比較して、その差を洗い出すことでハウスメーカーや工務店の建築費用を抑える折衝をします。
 
また、ハウスメーカー・工務店は競争が激しく、他社で見積もりを取るという言葉を伝えただけで建築費用の大幅値下げを行ってくれるときがあります。建築価格については、何とか下がらないのか、という話をきちんと伝えておくことが大切です。
 

東京の注文住宅の相場 まとめ

 
シンプルな外観の家
 
全国の土地付注文住宅建築所要資金は年々上がっており、東京の所要資金も全国と同じく8年連続で上昇しています。そして、2020年東京の注文住宅所要資金は約5,162万円まで上がってきました。約5,162万円というのは、全国平均よりも約760万円高い金額です。
 
この金額を住宅ローンで全額払うには、年収が880万円~1,090万円ほど必要になります。建築費用が下がれば住宅ローンの借り入れができる年収も下がるため、年収が少し足りない、月々返済を少し下げたいという人は、注文住宅の建築費用を抑えなければなりません。
 
建築費用を抑える方法はいくつかあるため、不動産の専門家に相談をしながら進めていくのが良いでしょう。
 

東京の注文住宅の相談には「住まいの無料相談」を利用しよう

 

 
東京で注文住宅を建築するには、多くの資金が必要になります。資金を多く用意するのは、難しいため注文住宅の費用を下げたり、生活費の見直したりするほうが効率が良いと言えます。
 
注文住宅の費用を下げたり、生活費の見直しをしたりする場合は「住まいの無料相談」を利用することがおすすめです。
 
「住まいの無料相談」では、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーが多数在籍しており、宅地建物取引士が建築費用の減額アドバイスをくれたり、ファイナンシャルプランナーが生活費の見直しをしてくれたりするため、東京で注文住宅を建築したい人の悩みを1カ所で解決することができます。
 
「住まいの無料相談」で予算の計画や見直しを総合的に行い、適切な住宅ローン金額を借り入れ、ゆとりある新居での生活をしていくようにしていきましょう。

千葉 雅恵

所属会社:
株式会社スマイルパートナー
所属会社のWEBSITE:
http://www.smile-partner.co.jp
保有資格:
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、NPO法人相続アドバイザー協議会、認定会員(上級アドバイザー)

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