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家・住宅購入コラム

家を建てるにはどうすれば良い?流れや費用について解説!

結婚や出産、子供の進学のタイミングといったライフイベントに合わせて、マイホームを考える人は少なくありません。
家を購入するのではなく建てる場合は、設計や土地の購入、業者の選定など考えることが多くなります。
 
はじめて家を建てる場合「そもそも費用はいくら必要なのか」「どんな流れで進めれば良いのか」など、わからないことが山積みになってしまうことも。
 
この記事では、家を建てる人が悩みやすい以下の4点について解説します。
・家を建てる流れは?
・何を決めれば良いの?
・誰に頼めば良い?
・費用は何が、いくらかかる?
 
1つずつじっくり考えていけば難しいことはありません。
業者任せではなく自分で判断しながら家を建てられるように、知識を付けていきましょう。
 

家を建てる流れは?

 

 
はじめに、家を建てる際の全体像を把握しましょう。
 
家を建てるための期間は、合計で1年以上かかる人も少なくありません。
納得のいく家を建てるためには、スケジュールに余裕を持たせておくことが大切です。
 
全体像を把握しておくと、やるべきことが明確になり、焦らずに動くことができます。
 

希望条件を考える

 
「家を建てようかな」と思い立ったら、まずは希望条件を考えてみましょう。
 
はじめは何となくのイメージだとしても、情報収集するうちに具体的な希望が出てきます。
今の時代は、インスタグラムなどのSNSで家造りについて発信している人も多いため、参考にしてみてください。
 
家族全員の希望をまとめ、条件に優先順位を付けておくことが大切です。
条件の決め方については、この後の「何を決めれば良いの?」の章で詳しく解説します。
 

プロに相談する

 
希望条件を考えたら、ハウスメーカーや工務店など、依頼先を決めて相談します。
 
家を建てるにあたって、土地を既に保有している場合と、土地から探す場合があります。
土地から探す場合、はじめに不動産会社で土地を探そうとする人が多いですが、家を建ててくれる会社に土地探しもあわせてお願いしましょう。
 
土地と家の予算バランスや、土地ごとに変わる建築条件など、土地と家には相性があります。
1つの会社にまとめて相談した方が、思わぬトラブルを避けられます。
 

土地を購入する

 
家との相性が良く、希望条件に合う土地が見つかったら、購入に進みます。
 
はじめに、土地の売主に対して書面で購入の意思表示をします。
住宅ローンを利用する場合は、ここでローンの仮審査が必要です。
身分証明書や源泉徴収票など、金融機関から指定された必要書類を提出して仮審査を申し込みます。
 
住宅ローンの仮審査は、結果が出るまで3日〜4日ほどかかるため、速やかに申し込みましょう。
仮審査を無事に通過したら、契約書にサインして売買契約を結びます。
 
土地の売買契約が成立したタイミングで、手付金や仲介手数料などの費用が発生するため、準備が必要です。
 

住宅ローンを組む

 
土地を購入したら住宅ローンの本審査を受けます。
仮審査と同じく、必要書類の準備が必要なので早めに動きましょう。
住宅ローンの本審査の期間は1週間〜2週間ほどです。
 
本審査を通過したら、金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。
金銭消費貸借契約の契約書には、借り入れ金額や返済期間などが定められています。
サインをする前に、内容に間違いがないか必ず確認してください。
 

土地の引き渡し・工事請負契約

 
土地の引き渡し時には以下の手続きを行います。
・土地の購入費用の精算
・土地の所有権の登記
・家を建築するための工事請負契約
 
必要な費用や書類を準備しておきましょう。
土地の売主から引渡確認書を受け取り、土地の購入は完了です。
 

家を建築する

 
土地の準備が整ったら、家の建築に入ります。
間取りやデザイン、設備などについて担当の設計士と打ち合わせを重ね、完成イメージを造っていきます。
 
納得できるまで話し合い、イメージを共有することが大切です。
難しい建築用語も絡んでくるため、わからないことがあれば遠慮せずに質問しましょう。
 
設計図が完成した後は、工事が無事に終わることをお祈りする「地鎮祭」を行い、いよいよ着工です。
 

引き渡し

 
家が完成したら引き渡しです。
家の引き渡しの際には、建築費や諸費用の精算があります。
 
時期によっては引越し業者の予約が取りづらい場合もあるため、引き渡しに合わせて早めに手配しておきましょう。
 

何を決めれば良いの?

 

 
家を建てる時には、家の完成イメージの土台となる以下の3点を決めておきます。
・土地の条件
・家の条件
・予算
 
条件を紙に書き出しながら、家族とよく話し合うことが大切です。
 

土地の条件

 
土地を所有していない場合、土地を購入するところから家造りが始まります。
同じ場所に生涯住み続けることを視野にいれて、どんな土地に住むのかを考えてください。
 
土地のエリアを決めるにあたり、職場や学校、駅からの距離は重要です。
日々の負担が大きくならないようなエリアを選びましょう。
 
災害時の危険度を表しているハザードマップも、エリアを決めるうえで役に立ちます。
大雨による川の氾濫で家が流されたり、地震で家が傾いたりすると、せっかく建てた家が台無しです。
ハザードマップは、各自治体や国土交通省のホームページから確認できます。
 
他にも車や人通りの多さ、近隣施設の種類など、長く住み続けるために必要な住環境についても考えましょう。
 

家の条件

 
土地の条件とあわせて、家の条件も決めていきます。
 
・何階建てにするか
・個室の数
・部屋やリビングの広さ
・各部屋や水回りの配置や階数
・トイレの数
・駐車場の広さ
 
家を建てた後の具体的な生活を想像しながら、それぞれの家庭に必要な条件を考えることが大切です。
高齢者と同居する場合は、バリアフリーについても検討しましょう。
 

予算

 
予算を決めておくことも大切です。
 
まずは収入や支出、今の家賃を参考にして、毎月の返済額を考えましょう。
教育費や車の購入費など、これから増える支出も加味して、無理のない返済計画にすることが大切です。
 
次に土地の購入予算や、家の建築予算も考えます。
まとまった金額が必要になるため、どのくらいの費用がかかるのかを事前に調べたうえで、貯金額と比較してください。
費用がまだ足りない場合は、焦らずに費用が貯まるまで待ちましょう。
 
家を建てる際の具体的な費用については「費用は何が、いくらかかる?」の章で解説します。
 

誰に頼めば良い?

 

 
家を建てる際の依頼先は、一般的に以下の3つのなかから選びます。
・ハウスメーカー
・設計事務所
・工務店
 
それぞれのメリットとデメリットを比較して、希望を叶えてくれる依頼先を決めましょう。
複数の会社に相談しながら、担当者との相性を見極めることも大切です。
 

ハウスメーカー

 
ハウスメーカーとは、家の設計施工を行う会社です。
デザインや工法を規格化することにより、住宅を大量生産しています。
 
【ハウスメーカーのメリット】
・住宅展示場に行けば、様々な会社をまとめて比較できる
・規格が決まっていることが多いため、完成イメージが湧きやすい
・同じパーツごとに工場で大量生産しているため、工期が短い
 
【ハウスメーカーのデメリット】
・規格が決められているため、デザインの自由度が低い
・土地の条件によっては対応してもらえない
・価格が高い
 

設計事務所

 
設計事務所とは、建築家が家の設計や工事監理を行うところです。
施工は基本的に工務店に外注します。
 
【設計事務所のメリット】
・規格が無いため、希望に合わせてゼロから作り上げることができる
・土地の形状に合わせた設計ができる
・設計者が工事監理をしてくれる
 
【設計事務所のデメリット】
・自由度が高いぶん、デザインなどの希望条件を共有するのが難しい
・会社によって費用が大きく異なる
・完成後のイメージが湧きづらい
 

工務店

 
工務店とは、家を建ててくれる大工さんを管理しているところです。
ハウスメーカーや設計事務所の下請け業者として工事を行うことが多いですが、設計から請け負ってくれるところもあります。
 
【工務店のメリット】
・設計から施工まですべて自社で行うため、価格が安い
・小さい会社の場合、融通が効きやすい
・将来的なリフォームの相談がしやすい
 
【工務店のデメリット】
・トラブルが起こった際の対応窓口がないことがある
・受注生産のため品質にバラつきがある
・小規模の工務店は倒産のリスクがある
 

費用は何が、いくらかかる?

 

 
家を建てるための費用は、大きく分けて以下の3つです。
・土地の購入費
・家の建築費
・諸費用
 
諸費用は見落としがちですが、意外と高く付きます。
それぞれの内訳や金額の目安を把握しておきましょう。
 

土地の購入費

 
土地の価格は、エリアによって大きく異なります。
都心や駅の近くなど利便性が高い土地ほど人気で、そのぶん価格も高くなります。
 
土地の価格は、国土交通省のホームページから調べることができます。
 
また、いびつな形の土地や三角形の土地は、四角形の土地に比べて価格が安い傾向にあります。
魅力的ですが、以下のような可能性があるため、よく検討しましょう。
・ハウスメーカーの規格に合わない場合は断られてしまう
・家を建てるうえでの難易度が高い場合、追加費用がかかってしまう
・使えないデッドスペースが生まれてしまう
 

家の建築費

 
家を建築する際の費用は、依頼先によって大きく差が出ます。
令和2年に首都圏に家を建てた人の建築費は、平均3510万円でした。
参考:国土交通省「住宅市場動向調査」注文住宅の建築費(首都圏)
 
建築費は使用する材料や工法、デザインなど様々な要素を基に「1坪当たり◯円」という坪単価で計算されます。
1坪は畳2枚ほどの広さです。
 
家の本体価格に含まれる費用と、オプションとして追加される費用で分けられることもあるため、依頼先にあらかじめ確認しておきましょう。
 

諸費用

 
土地購入や家の建築にかかる諸費用は、税金や専門家への報酬など、多岐にわたります。
主な項目と計算式、金額の相場は以下のとおりです。

項目 計算式・金額の相場
不動産会社への仲介手数料 ( 土地の価格 × 3% + 6万円 ) × 消費税
印紙税 1万円〜2万円
住宅ローンの事務手数料 借り入れ金額の2.2%
保証会社の利用料 借り入れ金額の2%
登録免許税 固定資産税評価額 × 2%
司法書士への報酬 5万円〜10万円
固定資産税 固定資産税評価額 × 1.4%
都市計画税 固定資産税評価額 × 0.3%
測量費用 40万円〜50万円
農地転用費用 5万円〜20万円
不動産取得税 固定資産税評価額 × 3%
設計料 工事費の10%〜15%
地鎮祭・上棟式 5万円〜10万円

 
土地や家の条件によって、必要な諸費用やそれぞれの金額は変わりますが、数百万円単位で支払うことを頭に入れておきましょう。
 
予算オーバーになると、その後の生活が圧迫されてしまうため、諸費用を加味した予算計画を立てることが大切です。
 

補助金も活用しよう

 
家を建てる時に補助金や助成金がもらえる事業があるので、いくつか簡単に紹介します。
 
【こどもエコすまい支援事業】【ZEH支援事業】
ZEHの基準を満たす住宅を建てることで、補助金がもらえる事業です。
ZEH(ゼッチ)とは、使用するエネルギー量よりも、太陽光発電などで生み出すエネルギー量の方が多い家のことです。
 
【LCCM住宅整備推進事業】
二酸化炭素の排出量を抑えられるような住宅を建てることで、補助金がもらえる事業です。
 
【地域型住宅グリーン化事業】
省エネ性能や耐久性が高い木造住宅を建てることで、補助金がもらえる事業です。
地域の木材の使用や、複数世帯の同居などによる加算もあります。
 
【東京ゼロエミ住宅導入促進事業】
東京都が行う事業で、省エネ性能の高い家を建てることで助成金がもらえます。
 
【同居・子育て支援補助金】
静岡県藤枝市に転入し、新築住宅を建築するともらえる補助金です。
 
なかには数百万単位の補助金や助成金が出る事業もあります。
それぞれ細かい条件や申請期限が異なるため、早めに調べておきましょう。
 

まとめ【主体的に家を建てる】

 

 
家を建てる際には、はじめに全体像を把握して、未来の生活を想像しながら希望条件を家族で話し合いましょう。
余裕を持たせたスケジュールと予算計画も大切です。
 
依頼先の選定や設計内容など、それぞれのタイミングで悩むこともあるかもしれませんが、メリットとデメリットを比較することで適切な選択肢が見えてきます。
 
馴染みがない建築用語や税金など、わからないことがあれば担当者に遠慮せず相談してください。
補助金制度も有効活用しながら、主体的に動くことで、納得のいく家を建てることができます。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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