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家・住宅購入コラム

こどもみらい住宅支援事業とは?その内容や制度を受けるための要件などを徹底解説!!

住宅を新築するときや、住宅をリフォームするときなどには国の補助が利用できることがあります。
こどもみらい住宅支援事業も国の補助の一環です。
 
こどもみらい住宅支援事業は、注文住宅を建築するとき、新築分譲住宅を購入するとき、所有している家をリフォームをするときに一定の条件を満たしていると利用することができます。
 
それぞれに補助額も決まっており、申請する人の条件や、建物の条件、工事の条件などにより補助額が変動します。
 
本記事では、住宅を建築するときなどに利用できる補助制度である、こどもみらい住宅支援事業の内容を解説していきます。
自身がこどもみらい住宅支援事業の補助に該当するか確認してみてください。
 

こどもみらい住宅支援事業とは

 

 
こどもみらい住宅支援事業とは、子育て世帯の支援と2050年カーボンニュートラル実現のために創設された住宅購入、住宅リフォームをするための補助制度です。
 
この制度を利用して質の良い住宅を増やすことにより、住宅価値の向上、長期間住むことのできる住宅の増加が期待されています。
 
こどもみらい住宅支援事業には予算が組まれ、令和3年度補正予算542億円と原油価格・物価高騰等総合緊急対策を受けて追加された令和4年度予備費等で600億円、合計1,142億円がこどもみらい住宅支援事業の予算となっています。
 
また、交付申請時期も令和4年10月末までから令和5年3月末まで延長になりました。
 

こどもみらい住宅支援事業を受けられる条件【注文住宅建築・新築分譲住宅購入編】

 

 
注文住宅を建築するときに、一定の条件を満たせばこどもみらい住宅支援事業の補助を受けることができます。
補助を受けるには、次の条件をクリアする必要があります。
 
・申請者の条件
・建築する住宅の条件
・対象となる期間
 
これらの条件を項目ごとに解説していきます。
 
なお、注文住宅を建築する場合も、新築分譲住宅を購入する場合も、申請者の条件、建築する住宅の条件、対象となる期間、補助額ともに変わりありません。
 

申請者の条件

 
申請者の条件は、次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。
子育て世帯または若者夫婦世帯であること
こどもみらい住宅事業者と工事請負契約を締結し住宅を新築すること
 
子育て世帯とは、申請時点において2003年4月2日以降に生まれた子どもがいる家庭のことです。
若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦で、夫婦いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯のことです。
 
こどもみらい住宅事業者とは、建築主に代わり交付申請手続きを代行して、交付を受けた補助金を建築主に還元する者として、あらかじめ本事業に登録をした住宅事業者のことです。
 

建築する住宅の条件

 
建築する住宅にも条件があり、次のすべての条件を満たす必要があります。
 
・自宅として使用する住宅であること
・土砂災害特別警戒区域外に自宅を建築すること
・未完成または完成から築年数が1年以内で、ほかの人が住んだことのない住宅であること
・住宅の面積が50㎡以上であること
・交付申請時に一定以上の出来高の工事完了が確認できること
 
①か②について建築士の証明書が必要です。
①基礎工事(杭基礎の場合は杭工事)の完了
②省エネ性能等※1に応じた住戸あたりの補助額に総戸数を乗じた金額以上の出来高の工事完了
建築工事の契約金額(税込)×出来高(%)≧ 住戸あたりの補助額×総戸数
 
・次の表の証明書が提出できること
 

ZEH住宅 強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有する住宅※1※2
 
※1BELS 評価書に記載される「ZEH」「ZEH-M」「ZEH Oriented」「ZEH-M Oriented」「ZEH Ready」「ZEH-M Ready」
「Nearly ZEH」「Nearly ZEH-M」も対象になります。
(「ゼロエネ相当」は強化外皮基準に適合しないため対象外)
 
※22022年10月1日以降に認定申請した認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅が対象となります。
高い
省エネ性能等を
有する住宅
次の a)~c)のいずれかの性能を有する住宅※3
a)認定長期優良住宅
b)認定低炭素住宅
c)性能向上計画認定住宅
 
※32022年9月30日以前に認定申請した住宅が対象となります。
一定の
省エネ性能を
有する住宅※5
品確法に基づく日本住宅性能表示基準(平成 13 年国土交通省告示第 1346 号)で定める断熱等性能等級4 かつ 一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅※4
 
※4建築物省エネ法に基づく省エネ基準への適合を本事業の要件とするため、品確法で定める断熱等性能等級4の基準のうち、結露の発生を防止する対策に関する基準を満たさない住宅も対象です。

※引用:「こどもみらい住宅支援事業
 

対象となる期間

 
対象となる期間は、次のとおりです。
 
・工事請負契約の期間(2021年11月26日~建築着工まで)
・建築着工の期間(こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降)
・基礎工事の完了(工事の出来高・建築着工~交付申請までで遅くとも2023年3月31日)
 

補助金額

 
申請者の条件、建物の条件、対象となる期間をクリアすると、次のような補助額が事業より認可されます。
この補助額は、住宅の性能により異なります。
 
注文住宅を建築した場合の性能による補助額の違い

住宅の性能 補助額
ZEH住宅 100万円
高い省エネ性能等を有する住宅 80万円
一定の省エネ性能を有する住宅 60万円

 

こどもみらい住宅支援事業を受けられる条件【リフォーム編】

 
リフォームをした場合にも一定条件が満たされていれば、こどもみらい住宅支援事業の補助を受けることができます。
補助を受けるには、次の条件をクリアする必要があります。
 
・申請者の条件
・リフォーム工事の条件
・対象となる期間
 
これら大きな項目では、注文住宅建築や新築分譲住宅購入と変わりませんが、内容が大きく異なっています。
ここからは、リフォームでこどもみらい住宅支援事業の補助を受けるための条件を解説していきます。
 

申請者の条件

 
申請者の条件は、次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。
 
・こどもみらい住宅事業者と工事請負契約等を締結してリフォーム工事をする
・リフォームする住宅の所有者などであること
 
注文住宅建築と新築分譲住宅購入のときとは違い、申請者の条件に年齢や子どもがいるのかどうかは関係なく利用することができます。
 

リフォーム工事の条件

 
リフォーム工事の種類はグループAとグループBに分かれます。
グループAの工事はその工事単体でこどもみらい住宅支援事業の補助を受けることができますが、グループBの工事で補助を受ける場合には、グループAの工事のいずれかと同時に行う必要があります。
 
こどもみらい住宅支援事業の補助を受けることができるリフォーム工事の内容

A ①開口部の断熱改修 いずれかの工事が
必須
補助額が
合計5万円
以上で
補助対象
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
B ④子育て対応改修 グループAと同時に行う
リフォーム工事のみ
補助対象
⑤耐震改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

 

対象となる期間

 
対象となる期間は、次のとおりです。
 
・工事請負契約の期間(2021年11月26日~工事着工まで)
・着工の期間(こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降)
 

補助金額

 
こどもみらい住宅支援事業の補助を受けることができる条件を満たしたリフォームの場合、補助の上限は1戸あたり最大30万円です。
 
ただし、下記の表にある条件を満たした場合には、補助金額が引き上げられます。
 
こどもみらい住宅支援事業のリフォーム補助額の違い

①子育て世帯または
若者夫婦世帯
②既存住宅購入 1戸あたりの上限補助額
該当する 該当する 60万円
該当しない 45万円
該当しない 該当する
(安心R住宅に限る)
45万円
該当しない 30万円

 
①子育て世帯または若者夫婦世帯は、注文住宅建築、分譲住宅購入の申請者条件と同一です。
②既存住宅購入の条件は、次のすべての要件を満たすことをいいます。
・不動産売買契約の締結時に建物完成から1年以上経過している住宅であること
・不動産売買契約の締結が、2021年11月26日以降であること
・住宅の売買代金が100万円(税込)以上であること
・リフォーム工事の工事請負契約の締結が不動産売買契約の締結から3ヶ月以内であること
・工事発注者が①に該当しない場合購入する住宅が安心R住宅であること
 
安心R住宅とは、特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度(安心R住宅制度)を利用して安心R住宅調査報告書が発行された住宅のことをいいます。
 

こどもみらい住宅支援事業を受けるときの注意点

 
アドバイザーの女性
 
こどもみらい住宅支援事業を受けるときには、いくつかの注意点があります。
その注意点とは、次のような点です。
 
・補助金の重複は受けられない
・資産の処分に制限がかかる
 
この項目をそれぞれ解説していきます。
 

補助金の重複は受けられない

 
こどもみらい住宅支援事業の補助金を受けた建築主は、再度、注文住宅建築と新築分譲住宅購入の補助を利用することができません。
ただし、この場合でもリフォームの補助上限額を超えることはできないため、上限を1度で使い切ってしまっている場合にはもうリフォームの補助も受けることができなくなります。
 
また、一度でもこどもみらい住宅支援事業の補助を受けた住宅は、こどもみらい住宅支援事業の補助を再度受けることはできません。
 

資産の処分に制限がかかる

 
こどもみらい住宅支援事業の補助を受けた建築主は、補助を受けて取得した住宅について、こどもみらい住宅事業者に補助金の振込みをされた後、10年間は国もしくはこどもみらい住宅支援事業の事務局の承認を得ず、補助金の交付目的に反した使用や譲渡、交換、貸付、担保に供することは認められません。
 
補助を受けて取得した建物は10年間、取り壊すこともできないため注意が必要です。
 

こどもみらい住宅支援事業を受けるための手続きや流れ

 

 
こどもみらい住宅支援事業を活用し、補助を受けるためには手続きが必要となります。
こどもみらい住宅支援事業を受けるための手続きの流れは、次のような流れです。
 
1.こどもみらい住宅支援事業者を探す
2.こどもみらい住宅支援事業を受けられるのか条件の確認をする
3.こどもみらい住宅支援事業と請負契約や売買契約を締結する
4.工事着手
5.工事完了
6.こどもみらい住宅支援事業者に補助金が振り込まれる
7.こどもみらい住宅支援事業者に振り込まれた補助金を建築主に振り替えしてもらう
 
注文住宅建築、新築分譲購入、リフォーム工事ともにおおまかには同じ流れをたどります。
内容が複雑でわかりづらい場合は、こどもみらい住宅支援事業者に内容を確認すると良いでしょう。
こどもみらい住宅支援事業者は、こどもみらい住宅支援事業のプロであるため、流れや手続き方法などの相談に乗ってくれます。
 

まとめ

 

 
住宅を建築するときや、住宅を購入するときには多額の建築費用や購入費用がかかります。
そして、住宅は建築するにも、購入するにも諸費用がかかります。
そのため、少しでも減額できるものは減額する、補助を受けられるものは補助を受けることが大切です。
 
補助に関しては国や自治体が補助制度を設けています。
その中の1つにこどもみらい住宅支援事業という補助制度があります。
 
こどもみらい住宅支援事業では、一定条件を満たすことにより、最大100万円の補助を受けることができます。
一定条件には、申請者の条件、建築する住宅の条件、申請する期間などさまざまな条件があります。
 
条件はさまざまありますが、最大で100万円の補助を受けられるのは相当大きなことです。
住宅を建築する、住宅を購入する検討をされている人は、補助が受けられるか確認し受けられる補助は受けておいたほうが良いでしょう。

平野 直子

所属会社:
FPオフィスLife&Financial Clinic
所属会社のWEBSITE:
http://www.mylifeplan.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士、 貸金業務取扱主任者資格、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター2級
著書:
30代夫婦が働きながら4000万円の資産をつくる考え方・投資の仕方
All about:
「夫婦FP・平野泰嗣と直子が応援!ふたりで学ぶマネー術」担当ガイド

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