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家・住宅購入コラム

持ち家のメリットを完全解説!賃貸と比較する際のポイントとは?

「家を建てた方がいいのか、それとも賃貸のままでいた方がいいのか、どちらがお得なのだろう」

「家を持つことの利点は具体的にはどんなところにあるのか」

と、悩む方も多いのではないでしょうか。

特に結婚や出産など家族が増えたり、仕事の関係で転居のタイミングが出てきたりすると、家の購入を考える機会が生まれます。

しかし、持ち家の購入額が高いこともあり、ローンを組む必要も出てくると即購入を決められない部分もあるでしょう。

本記事では、持ち家のメリット、デメリットなどを詳しく解説していきます。「持ち家か賃貸」で悩んだ際に比較するべきポイントについても取り上げていくため、自分に合った住まいを考えるきっかけにもなるでしょう。

持ち家のメリットを完全解説!

「自分の家を持つことが夢だった」という方にとって、「家」という存在自体に憧れを抱いている部分もあるでしょう。実際に持ち家には、さまざまな利点があります。

最初に、持ち家のメリットについて見ていきましょう。持ち家のメリットは、下記の通りです。

・資産性が高い
・住宅ローン完済後はランニングコストが安くなる
・ある程度自由にカスタマイズできる
・税制優遇制度の活用が可能
・団体生命信用保険を使うことができる

メリットを知ることで、持ち家の良さを再確認する人、「やっぱり賃貸よりも持ち家の方がいいのかな」と考え始める人も出てくるでしょう。それぞれのメリットを詳しく解説します。

資産性が高い

持ち家は、購入することで自分の資産になります。将来子供が家庭を築いた際に一緒に住むこともできますし、誰かに貸し出して、家賃収入を得ることも可能です。

また、パートナーや子供などの資産として残せるメリットもあります。「自分が死んだ後、家を資産として残したい」と考える人も多いでしょう。

家を手放す場合は、売却によってお金に変えられます。基本的に家の売却は購入時よりも金額は落ちてしまいますが、ある程度まとまった金額を手にすることができます。

ここ数年、全国の土地価格は新型コロナウイルス感染症の影響もあり低下していましたが、令和4年は住宅地・商業地の全国平均は上昇しています。売却時の状況でどの程度の資産になるかは変わってくるでしょう。

出典:令和4年都道府県地価調査の概要|国土交通省

参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001513492.pdf

ただ、立地に優れた物件の場合、資産性を維持できることが多いです。また、購入時に立地条件はそこまで良くなかった場所も、いつしか人気の街になっていることもあります。人気の街になり土地価格が上昇していると、予想外に高い金額で売却できることもあります。

住宅ローン完済後はランニングコストが安くなる

住宅ローン完済後は、ローン分の支払いがなくなるため、ランニングコストが安くなります。固定資産税や修繕積立金などの支払いは発生しますが、それだけ払えばその家に住み続けることが可能です。退職後の生活も不安が軽減するでしょう。

固定資産税は、不動産など固定資産を持つ人が払う地方税です。家を購入したことにより固定資産としてカウントされるため、毎年一定額を払い続ける義務があります。戸建ての場合の固定資産税は、建物と敷地の2つが不動産の評価額として計算されます。住んでいるところによって差がありますが、大体10万〜12万円と言われています。

マンションの場合は、敷地は部屋の専有面積に応じて計算され、戸建てよりも固定資産税は低くなり、大体8万〜10万円程度が多いでしょう。

ただ、マンションは毎月12,000円程度の修繕積立金が発生します。修繕積立金は、共用部の工事費用や大規模な修繕を行う際に使われる費用です。

ある程度自由にカスタマイズできる

賃貸は借りているものになるため、リフォームが行えないことが基本です。リフォームしたい場合は、大家さんや管理会社に許可をとる必要が出てきます。

勝手に手を加えれば、建物に傷をつけたという扱いになり退去時に修繕費用を請求される可能性が出てきます。自分好みの部屋にしたり、住みやすく変えたりできないと思った方がよいでしょう。

持ち家は、自由に建て替えやリフォームは自由です。家族が増えれば増築したり、好きなタイミングで住環境を作り変えたりもできます。

税制優遇制度の活用が可能

持ち家のメリットとして税制優遇制度を活用できるようになります。「固定資産税」は新築戸建て住宅の場合、3年間(長期優良住宅の場合は5年間)半額です。

「住宅ローン減税」も適用され、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されます。控除される期間は、物件の種類や新居への入居時期、所得税額などによって変わりますが、最大で13年間控除されます。

出典:住宅ローン減税|国土交通省

参照:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

そのほか、契約から引き渡しまでにかかる税金(家を建てるときにかかる不動産売買契約書の「印紙税」や、不動産の購入者にかかる「登録免許税」)などでも条件を満たしていれば軽減措置が受けられます。

出典:固定資産税|総務省

参考:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

参照:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

出典:登録免許税に関する資料|財務省

参照:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e08.htm

団体生命信用保険を使うことができる

団体生命信用保険とは、住宅ローンを返済中に契約者が亡くなった、または障害を負ってしまったとき、ローン残額を肩代わりしてもらえる保険です。基本的に住宅ローンを組む際、団体生命信用保険に入ることが前提になっています。

ローン契約者に万一のことが起きたとき、多額の住宅ローンが残っていても、団体生命信用保険に加入していれば住宅ローンの残債は0円になるということです。数千万住宅ローンが残っていても、返済義務はなくなり住み続けられます。

メリットがある一方で持ち家のデメリットは?

続いては、持ち家は十分にメリットがあるものの、その半面、大きなデメリットになりえる部分も存在しているため、メリット面だけを見て、安易に持ち家の購入に踏み切るのは危険です。

実際持ち家よりも賃貸物件を推す人も多く、持ち家にもマイナス面が存在しています。持ち家は購入するには金額が高いため、人生の中で大きな買い物になる人は多いでしょう。

家を買った後に「こんなはずじゃなかった」と悔やまないために、デメリットについても理解した上で購入検討に入ることをおすすめします。

持ち家のデメリットには、一度購入してしまうと場所に縛られてしまうこと、自然災害リスクが大きいこと、固定資産税がかかってくるためコストが大きくなること、メンテナンスを自分たちで行わなければならないことなどがあります。

一度購入してしまうと場所に縛られてしまう

家を買うというのは、ある程度まとまった金額が必要になります。一生に一度の買い物になる人も少なくはありません。大きな金額のため、一大決心になるでしょう。

また、土地探しやローン申請など、手間も時間もかかります。特に注文住宅で家を建てた場合は、最初から自分たちで準備しなければならないため、建売住宅の購入よりも大変です。お金も労力もかけて家を購入すれば、そのまま長く住んでいたい気持ちは強くなり、気軽に引っ越しをする気が起きないでしょう。

それでも引っ越しをする場合、持ち家を売却するか、賃貸として誰かに貸すかなどの選択肢があります。しかし、どちらも手続きなどが必要になり時間もかかるでしょう。住宅ローンが残っていれば、制限される内容も出てきます。

持ち家を売却も賃貸にもせず引っ越すことも可能です。ただ、住んでいない家というのは、空気の入れ替えができないことから換気されない状態が続き、湿気がたまりやすくなります。そのままにしておけばカビが繁殖して、木造の場合は木を腐らせる原因にもなるでしょう。

自然災害リスクも大きい

持ち家のデメリットとして、自然災害の懸念があります。自然災害などが起きて持ち家が被害を受けた場合、地震保険や火災保険、水害保険などに入っていても損壊割合によって金額の程度が決まっていて、全額支払われない可能性が高いでしょう。保険で支払われなかった費用は自分たちで負担しなければなりません。自然災害によって持ち家に住めない状態になってしまったにもかかわらず、住宅ローンだけが残るケースもあり得ます。

近年地球温暖化の影響からか、台風の威力が強くなったり、予想を超えた豪雨が発生したりして、これまで水害などなかった場所でも川の氾濫が起こってしまうケースが出てきています。床上浸水などが起きれば、建物は大きな被害を受けるでしょう。

地震や津波、台風、竜巻、火災などもいつ起こるかわかりません。大規模な自然災害の場合は、国から特例措置が出ることもありますが、自分の持ち家が保証の対象に含まれるかわからないため、基本的に期待しない方が良いでしょう。

固定資産税がかかってくるためコストが大きくなる

持ち家は、所有している固定資産になるため固定資産税がかかってきます。毎年1月1日の時点で、不動産を所有する人に対して算出された額の税金を支払う義務が発生するため、固定資産税の通知書が届いた後は、記載されている金額の支払いをしなければなりません。その家を手放さない限り固定資産税は発生します。

また、固定資産税は3年に一度見直され評価額が変わり金額が変わります。一般的には、新築住宅であれば、新築住宅特例により3年目まで固定資産税は2分の1に減額されていますが、4年目からは上昇します。

出典:固定資産税|総務省

参考:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html

住居の有無に関わらず、家を持っていることで固定資産税が発生します。自分たちで住むこともせず、誰かに貸して家賃収入も得ずに家を保有していると、固定資産税だけ払うことになり、何だか損をしているような気持ちになるでしょう。

メンテナンスを自分たちで行う必要がある

持ち家の場合、購入後メンテナンスでお金がかかります。マンションの場合は修繕積立金といってあらかじめメンテナンス的な費用は徴収されます。戸建ての場合は、メンテナンスのタイミングや費用は意識して準備をしなければなりません。

家は長く住めば住むほど傷みます。ある程度の年数が来たら、状態を見て修理することになるでしょう。たとえば、外壁や屋根、給湯器、トイレ、お風呂、キッチン、洗面台、壁紙や内壁、床、ベランダ、シロアリ関連、排水管、床下などの部分です。

メンテナンスせず傷んだままにしておくと、状態は悪化していきます。屋根の場合は雨漏りが発生したり、床の場合は木が腐って抜けてしまったりするでしょう。

シロアリ駆除対策をしないままにしていると、床下や柱などが食べられてしまい、耐震性や耐久性が低下します。

家が傷み、住み替えをする時期が早まってしまうこともあるため、持ち家を買った以上、メンテナンスに関しては覚悟しておきましょう。

「持ち家か賃貸」で悩んだときに比較するべきポイントは?

「持ち家か賃貸」で悩んだときに比較するべきポイントは、自分、または家族が何を優先しているかによるでしょう。

もし「持ち家を買うことが夢だった」という場合は、妥協以外に賃貸を選ぶ理由は見当たりません。家族が多く、「広い家に住みたい」「庭付きの家がいい」「駐車場が十分に欲しい」などの希望がある場合も、持ち家の方が選択肢を増やせるためおすすめです。

生涯コストの差を気にしている場合、どちらの方がどの程度お金がかかるのかを算出する必要があります。住宅ローン完済が見込めるのであれば、持ち家を選ぶ選択肢が有力になるでしょう。

ただ、住む場所や、購入時の頭金、ローンを組む金融機関、収入の状況によって変わってくるため、ファイナンシャルプランナーなどプロに相談してシミュレーションしてもらうのが賢明です。

また、転居が多いかにもよっても、賃貸か持ち家かに差がつきます。転居が多いと持ち家を買っても住み続けることはできず、家を買う意味があったのか疑問を残すことになるからです。

持ち家がおすすめな人の特徴

持ち家がおすすめな人は、「家を持つことが夢だった」「自分の城を築きたい」と持ち家に対して憧れを持っている人です。持ち家によって、所有欲が満たされ、精神的に安らぐ場所を得ることができると感じるでしょう。仕事や生活などでプラスの効果が期待できます。

安定した経済力がある人も持ち家の購入におすすめです。持ち家の購入には、大きな資金が必要になりますが、仕事や収入が安定していれば、初期費用を用意しやすくローン返済の計画も立てやすくなります。

また、ペットを飼いたい人も持ち家はおすすめです。賃貸物件の場合は、ペットを飼うことが禁止されているケースは少なくありません。持ち家であれば、自由に好きな動物を飼うことができます。

そのほか、リフォームやDIYを楽しみたい人も持ち家は存分に楽しめるでしょう。賃貸物件の場合は、内装を変えることは禁止されていることが多く、自由にカスタマイズすることはできません。持ち家であれば、好きに部屋を改築できます。

まとめ

持ち家のメリットとデメリット、持ち家は賃貸か悩んだときのポイントなどを紹介しましたが、住まいを考える際の手立てになったでしょうか。

持ち家には、資産になる点や住宅ローン完済後のランニングコストを軽減できる点など、さまざまなメリットがありますが、購入する際は多くの資金が必要になります。30年以上など長期の住宅ローンを組むことでも購入できますが、その分利息を多く払うことになるでしょう。

また、家を購入してしまうとその土地で暮らすことになり、その地に縛られた生き方をする必要も出てきます。自然災害によって家が被害を受けるリスクもあります。固定資産税も払い続けることになるため、予想以上にお金がかかり負担を感じることもあるでしょう。

持ち家はメリットもデメリットも大きいことから、自分のライフスタイルやライフステージをしっかり考えた上で購入することをおすすめします。後悔のない選択ができるよう本記事を参考にしてじっくりと考えてみてください。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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