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家・住宅購入コラム

家づくりのポイントを徹底解説!注文住宅を選択するメリットとデメリットは?

家づくりの方法には、ハウスメーカーが用意しているプランから選択して家を立てる「規格住宅」や、すでに完成している家を購入する「建売住宅」などがありますが、マイホームを購入する人に特に人気なのが「注文住宅」です。
 
注文住宅は、自分が希望する間取り・構造・設備などを自由に盛り込めることから、唯一無二の住まいを手に入れられるという魅力があります。しかし、マイホームを建てるには何千万円という高額な資金が必要になるため、「家づくりで失敗したらどうしよう」という不安を抱える人も少なくありません。
 
そこで本記事では、注文住宅でマイホームを建てるメリット・デメリットと、注文住宅で家づくりをする際のポイントについて解説します。家づくりにおいて特に心配される「予算」と「期間」の目安も知っておくことで、計画的な家づくりが可能になります。
 

1.家づくりで人気な「注文住宅」とは?

 
一戸建て
 
「注文住宅」とは、土地探しから始まり、家の間取りや設備・使用する建築材料などを、その人の好みや生活スタイル・予算に合わせて計画し、建築する住宅のことを指します。
注文住宅には「フルオーダー住宅」と「セミオーダー住宅」という2種類があります。
 

1)フルオーダー住宅

 
フルオーダーの注文住宅では、家の見た目・間取り・設備や設計・構造などを、すべて自由に計画していきます。
唯一無二で他とかぶらない家づくりをしたいという人や、趣味を詰め込んだ空間を作りたいという人にとっては、制限のない中で自分だけの家を一から作れるという点は、大きなメリットと言えます。
 
ただしその分コストがかかる点、完成までに時間がかかる点はデメリット。のちの解説する「セミオーダー住宅」とは異なり、導入する設備や使用する素材によっては、特別にオーダーしたり仕入れたりする必要があるため、建築費用は高額になる傾向にあります。また一から家づくりを行うため、ハウスメーカーとの打ち合わせに多くの時間と労力を使います。
 

2)セミオーダー住宅

 
セミオーダー住宅の場合は、ハウスメーカーや建設会社が家の使用やスペック・使用できる素材などについて、あらかじめ複数パターンを用意しておき、その中から必要な設備や好みの仕様を組み立てます。
セミオーダー住宅のメリットは、フルオーダー住宅と比較してコストを下げられること。選択肢として用意されている設備や建材は、大量仕入れなどにより1件あたりのコストが安くなるように工夫されているのです。
 
一方デメリットは、限られた選択肢の中から家づくりをする必要がある点。「吹き抜けのある家がいい」「とにかくリビングを大きくしたい」「ガレージを作りたい」といった、一般的な住宅にはない特徴のある家づくりをしたくても、建築・設計を依頼するハウスメーカーのプランになければ実現できません。
 

2.家づくりを注文住宅でするメリット

 

 
マイホームを建てる場合、注文住宅以外にも規格住宅や建売、分譲マンション購入といった選択肢もあります。しかしそれでも、注文住宅で家づくりをする人が多いのには理由があります。家づくりをする際に注文住宅を選択するメリットには、下記の4つがあります。
 
1)ライフスタイルに合わせた間取り
2)デザインや建築仕様が自由自在
3)建築現場や建築過程を確認できて安心
4)土地からこだわって選べる
 
それぞれ詳しく解説していきます。
 

1)ライフスタイルに合わせた間取り

 
家づくりをする際に多くの人がこだわる「間取り」を自由にできる点は、注文住宅の大きなメリットです。
 
料理好きな家庭であれば、大きなシステムキッチンのある家。音楽好きな家庭であれば、楽器演奏ができる防音室を。子供の多い家庭であれば部屋を増やしたり、習い事の道具を多く片づけられる大きな収納を設けたりと、生活スタイルや趣味、持ち物に合わせた設計が可能です。
 

2)デザインや建築仕様が自由自在

 
周りとは違う、個性的な家に住みたいという人の要望に応えられるのも注文住宅の魅力。「青を基調にした外装・内装にしたい」といったデザイン性の希望だけでなく、空調効率をアップさせるために質のいい断熱素材を使用したり、あたたかみのある木材をベースに設計したりと、素材・建材にもとことんこだわれます。
 

3)建築現場や建築過程を確認できて安心

 
マイホームを購入するときに気になるのは、家の構造や基礎が頑丈に作られているかという点です。建売住宅は完成した状態の住宅を購入するため、施工現場を見ることができず、耐震性などに不安があるという人もいます。
 
一方注文住宅では、工程ごとにどのように施工されているかを目で見て確認できるという点がメリット。耐震性にかかわる基礎部分だけでなく、断熱材が壁や屋根に隙間なく入れられているかどうかなども見学可能です。入居後の安心のためにも、建築過程は納得いくまで見学・説明してもらいましょう。
 

4)土地からこだわって選べる

 
すでに完成している建売住宅や分譲住宅とは異なり、注文住宅は「土地探し」からこだわれる点もメリット。家族の通勤通学の利便性や、スーパー・商業施設・病院・役所といった生活に必要な施設へのアクセス、公園や自然の多さといった生活環境を見極め、ライフプランにあった場所に家を建てられます。出産や育児の予定がある場合は、子育てに対する支援が手厚い自治体や、治安がいいエリアといった視点で土地探しをしてもいいでしょう。
 
また、土地の選び方次第で建てられる家も変化します。角地を選べば玄関や駐車場の向きの選択肢の幅が広がりますし、南向きの土地を選べば日当たりのいい家ができあがります。家の間取りだけでなく、敷地全体をどのようにデザインしたいかをイメージしながら土地探しができるのは、注文住宅による家づくりの大きな魅力です。
 

3.家づくりに注文住宅を選ぶデメリット

 
頭を抱える女性
 
自分らしい家づくりができることが魅力の注文住宅ですが、メリットがあればもちろんデメリットもあります。家づくりにおいて注文住宅を選ぶデメリットは下記の3つ。
 
1)コストがかかる
2)入居までに時間がかかる
3)完成まで仕上がりがわからない
 
メリットばかりにとらわれず、デメリットも理解したうえで注文住宅で家づくりをするかどうか判断しましょう。
 

1)コストがかかる

 
注文住宅をするうえで多くの人が直面するのがコストの問題。すでに解説したとおり、注文住宅においては設備や建築素材を自由に選べるぶん、規格住宅や建売住宅での家づくりと比較してコストが高くなる傾向にあります。
 
注文住宅でもコストを下げるためには、特に工事費用が高額になるキッチンやトイレ・浴室といった水回りを、できるだけ近い位置にまとめるのがおすすめ。また、高価な素材を使用したい場合は部分的に使用するようにし、費用をかける部分と抑える部分のメリハリをつけることで、満足のいく仕上がりとコストダウンを実現できます。
 

2)入居までに時間がかかる

 
家づくりを注文住宅で行う場合は、打ち合わせ開始から入居までに時間がかかる点がデメリット。ハウスメーカーや工務店に依頼した場合、住宅の建設だけでも半年~9ヶ月ほどかかります。打ち合わせの状況や、建材・設備の仕入れ状況によってはさらに完成までに時間がかかる場合も。前の家からの引っ越しが必要な場合は、スケジュール管理に十分注意して進めるようにしましょう。
 

3)完成まで仕上がりがわからない

 
注文住宅における失敗談でよく耳にするのが、完成した家がイメージしていたものと違ったということです。完成済みの物件を購入する建売住宅や分譲住宅の場合は、入居前に内覧できるため実際の生活がイメージしやすいというメリットがあります。
 
注文住宅の場合でも、ハウスメーカーや工務店は設計図や3D画像などを使用して、完成イメージと実際に入居した後の感覚にズレがないように、入念に打ち合わせを重ねます。しかしそれでも、実際に暮らしてみたら生活導線が短く感じたり、思ったような日当たりが得られなかったりするケースもあるというという点は理解しておきましょう。
 

4.注文住宅で家づくりをするときの注意点

 

 
自分だけの唯一無二の住まいを作るためには、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは注文住宅での家づくりにおいて、特に迷う人の多い「予算」「スケジュール」の2点にしぼり、理想の家づくりをするためのポイントについて解説します。
 

1)家づくりにかける予算の目安と相場

 
理想の家づくりのために、どれくらいの費用をかけたらいいのかわからないと悩む人も少なくないでしょう。
 

(1)注文住宅の建設費と面積の平均は?

住宅金融機構の調査によると、2021年の注文住宅の建築費の全国平均は約3,570万円、床面積の全国平均は約37坪で、多くの家庭で最終的な建築費は3,000万円強になっていることがわかります。

(参照元:住宅金融支援機構『フラット35利用者調査』調査結果データ2021年度・調査結果PDF・p.26 https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf) 
 

(2)家づくりの予算別特徴

家づくりの予算を決めるにあたって、どれくらいの費用をかけたらどのような家が建つかを知っておくことも大切です。
 
近年では1,000万円ほどで建てられるという、コスパの良さを売りにしたハウスメーカーもあります。1,000万円で建てる注文住宅は、シンプルな外観・内装・設備・間取りの家になります。ただし、特殊な素材を使用したり多くの壁を作ったりする必要がないため、工期が短く済むというメリットも。費用を抑えたシンプルな家を希望する場合は、1,000万円台から検討してみましょう。
 
2,000万円の予算で建てる注文住宅は、1,000万円のものよりも設備・素材・間取りをアップグレードし、工夫を凝らすことができるようになります。採光をよくするために窓を増やしたり、空調効率を高めるために断熱素材を使用したりも可能。すべての希望を盛り込むことはできませんが、部分的にこだわりたいけど予算を抑えたいという場合は、2,000万円台でも家づくりは可能です。
 
全国平均である3,000万円台であれば、理想とするマイホームに近い家づくりが可能になります。少し特殊な形をした土地に家を建てる場合でも、3,000万円台の予算があれば実現できますし、床暖房を導入したり、こだわりの照明やバルコニー、質のいい壁材を使用することも可能。理想を追求した家づくりをしたい場合は、3,000万円以上は予算を確保しておくことをおすすめします。
 

2)余裕を持った建設計画を立てる

 
家づくりに注文住宅を選択する場合、入居までに時間がかかるということはすでに解説したとおり。家が建つまでにどのようなステップを踏む必要があるのか、事前に知っておくと安心です。
注文住宅が建つまでの大まかな流れは下記のとおり。
 
・家のイメージ作り、土地探し、資金計画
・建築費用の見積もり依頼、建築会社決定
・工事請負契約、土地売買契約
・住宅ローン申込
・着工
・完成、引き渡し
 
上記以外にも、家を建てる前の敷地調査や、間取り・設備に関する打ち合わせを複数回行う必要もあり、土地の購入から始めると、早くて12ヶ月、長い場合で24ヶ月かかる場合もあります。
 
また、工事が計画通りに進めば問題ありませんが、資材の確保状況などによっては完成時期が後ろ倒しになるケースも。賃貸マンションや売却する物件からの引っ越しを予定している場合は、物件の引き渡しのタイミングに細心の注意を払う必要があるという点を押さえておきましょう。
 

まとめ

 

 
注文住宅での家づくりは、住み心地や立地・間取りなどを自分好みにカスタマイズできるだけでなく、趣味や生活スタイルに合った設備や構造を取り入れられるという点で、大きなメリットがあると言えます。
 
しかしその一方で、予算をオーバーしてしまったり完成までに時間がかかったりと、なかなか思い通りにいかない・こだわっても満足のいく仕上がりにならない可能性があるというデメリットがあるのも事実です。
 
失敗しない家づくりを実現するためには、知識や経験の豊富な不動産会社・ハウスメーカーの力を借りることが大切です。コストパフォーマンスにこだわっている会社や自然素材を売りにしている会社、個性的な間取りを得意とする会社など、さまざまな特色を持ったハウスメーカーや工務店があるため、最初のうちは複数の会社に問い合わせてみることをおすすめします。
 
それぞれの特色を見極めつつ、自分に合ったプランを提案してもらえる、信頼できる会社を見つけるようにしましょう。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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