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家・住宅購入コラム

住み替えをする前に! 知っておきたい流れと重要ポイントを詳しく解説

結婚や出産、子供の就学などライフスタイルに変化のあるタイミングで「住み替え」を検討する人は多いのではないでしょうか? 家の住み替えを考えると、今の住まいの売却額や住宅ローンの返済など、疑問や不安が山積みです。そこで本記事では、住み替えをする前に知っておきたい注意点や、活用できるお金の対策について詳しく解説していきます。
 

住み替える2つの方法

 
住み替え
住み替えには「売り先行」と「買い先行」という2つの方法があります。今の住まいの売却と新居の購入が並行して進めば理想的なのですが、現実はなかなかそう上手くはいきません。
 

売り先行

 
売り先行とは今住んでいる住まいを売却してから、新居を購入する方法のことです。先に今の住まいを売却するので、新居を購入する資金が得られます。また住まいを売ることに時間をかけられるので、売却額を妥協せずに済みます。つまり、確実に住まいを売って資金を得てから新居を獲得できるので、確実に手堅く住み替えたい人向けの方法といえます。その反面住まいが売れたときに新居が決まっていないので、新居が決まるまでの間は仮住まいをしなくてはいけません。今の住まいから仮住まい、さらに新居へと2度引っ越さねばならず、その度に費用がかかります。
 

買い先行

 
買い先行は売り先行とは反対に、新居の購入を先に行います。今の住まいに住みながら新居を探せるため、仮住まいに移る必要がありません。しかし、新居の購入費に住まいの売却金額を充てられないので注意が必要です。さらに新居が見つかった場合、今の住まいが売れるまで2つの物件の維持費が発生します。買い先行は預貯金など、ある程度資金に余裕のある人向けといえるでしょう。
 

住み替えにかかる費用は?

 
住み替えの費用
住み替えの費用は新居を購入するときだけでなく、今の住まいを売却するときと両方にかかります。売却額を全て購入費に充てられるわけではないので、資金計画には必ず含めて考えなければいけません。
 

住宅の売却にかかる費用

 
住まいを売却する時にかかる費用は一般的に売却金額の5~7%といわれています。住まいの売却にかかる費用は不動産への仲介手数料、印紙税、ローン一括返済のための手数料、譲渡所得税などです。

譲渡所得とは不動産を売却して得た利益のことで譲渡所得税がかかり、税率は売却した年の1月1日の保有期間によって異なります。譲渡所得がない場合や売却にかかる費用、ローンの返済で利益がない場合には譲渡所得税はかかりません。

売却にかかる費用の中で、最も大きなシェアを占めるのは仲介手数料です。例えば売却額が2,000万円の場合の仲介手数料は726,000円(消費税10%の場合)で、売却額の3%以上も占めていることになります。
 

住宅の購入にかかる費用

 
不動産の購入時に必要な諸費用は、新居購入費用の5~8%といわれています。新居の購入費用とは物件価格と諸費用の2つです。平成30年度に国土交通省がまとめたデータによると、物件購入の平均価格は下記のようになっています。
 
分譲マンション 4,577万円
中古マンション 2,819万円
注文住宅 3,971万円
分譲戸建住宅 3,933万円
中古戸建住宅 2,814万円
 
他にも新居購入にかかる諸費用には不動産会社への仲介手数料、印紙税、住宅ローンの手数料、固定資産税、引っ越し費用などがあります。
 

家の住み替えで失敗する2つのケース

 
失敗
住み替えでは売却のタイミングや価格の決め方で失敗してしまうこともあります。
 

売却・購入するタイミングで失敗してしまう

 
住み替えをする理想は売却と購入との期間が大きく開かずに円滑に進むことですが、現実にはそう上手くはいきません。新居を購入する前に今の住まいの買い手がついた場合、仮住まいが必要となり新居が見つかるまで家賃を負担する必要があります。

反対に先に新居を購入した場合は今の住まいが売却できるまで2つの物件の管理費や固定資産税などの維持費を支払い続ける必要があります。おまけに今の住まいの住宅ローンを完済していなければ、一時的に二重ローンの返済をしなくてはいけません。どちらにしても、売却と購入の期間が長くなるほど費用負担は大きくなります。
 

売却価格の決め方で失敗する

 
売却と購入どちらが先だとしても、今の住まいはできるだけ高値で売却したいものです。しかし最初の売り出し価格を相場より高く設定したために、いつまでも売れないというケースがあります。相場より高い物件は元々売れにくいですし、なかなか売れない物件は「問題のある物件なのでは」という疑問を持たれ、敬遠されがちです。つまり売れ残ることがマイナスな印象を生み、さらに売れなくなるという悪循環になってしまうのです。結局値下げをしていかなければならず、最終的には相場よりもかなり低い価格で売ることになるかもしれません。
 

住み替えで受けられる減税措置は?

 
税金
今の住まいを売って利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。しかし国が認める特例を使うことで減税することができます。譲渡所得税を減税できる特例は「居住用財産の3,000万円特別控除」「居住用財産の買換え特例」「譲渡損失の損益通算」の3つです。ただしこれらの特例を使うには、売却した年から3年前までに特例を受けていないことが条件になります。さらに確定申告をしないと特例は受けられません。
 

居住用財産の3,000万円特別控除

 
3,000万円特別控除とは、譲渡所得が出た場合、要件を満たしていれば最高3,000万円まで非課税になる特例のことです。特例を受けるための要件は「マイホームに住まなくなって3年以内に売却すること」や「売却するまでにその土地を活用し貸駐車場の運営など利益を得ていないこと」、「災害などで家屋を失った場合は住まなくなってから3年以内に売却すること」などがあります。さらに売り手と買い手が親子や夫婦といった特別な関係の場合は特例を受けられません。
 

居住用財産の買換え特例

 
買換え特例とは、今住んでいる住まいの売却価格よりも新居の購入価格のほうが高い場合、要件を満たせば譲渡所得を繰り延べることができます。今回の住み替えでは課税されないが、次回住み替えたときに、繰り延べ分も合わせて課税されるというものです。つまり住み替えた新居にずっと住み続けるのであれば、譲渡所得税は納める必要は無いということになります。ただしこの特例は2021年12月31日の譲渡までに限られているので、2022年1月1日以降に発生した譲渡は対象外となります。
 
買換え特例には売却と購入両方に要件があります。売却の主な要件は、「マイホームに住まなくなってから2021年12月31日までに売却すること」や「所有期間と居住期間が10年以上であること」「売却代金が1億円以下であること」などです。また購入の主な要件は、「住み替える建物の床面積が50平方メートル以上、敷地面積が500平方メートル以下であること」や「新居には購入した年の翌年の12月31日まで住み続けること」、「中古物件の場合は一定の耐震基準を満たしていること」などがあります。3,000万円特別控除と同様に、売り手と買い手が親子や夫婦のような特別な関係の場合は特例を受けられません。
 

譲渡損失の損益通算

 
「マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」は「譲渡損失の損益通算」と省略することができます。住まいを売却した金額が購入したときの金額より低く損失が出た場合に、一定の要件を満たしていれば、その損失を給与所得や事業所得などから控除することができます。さらに所得から控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除可能です。
 
譲渡損失の損益通算のために満たさなければいけない主な要件には、「土地建物の所有期間が5年を超えていること」や「マイホームを売った前年から3年の間に新居を購入すること」、「新居には購入した年の翌年の12月31日まで住み続けること」などがあります。ただしこの特例も「買い換え特例」と同様2021年12月31日の譲渡までに限られているので、2022年1月1日以降に発生した譲渡は対象外となります。
 

資金が足りない・住宅ローンの残債がある時の対処方法

 
対処方法
住宅ローンを組む際に住まいには抵当権がかけられています。本来なら住まいを売却する際に住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなくてはいけませんが、今の住まいが市場相場で売ることができず、自己資金と合わせても完済に届かない場合もあります。残念ながら抵当権が抹消できない不動産は売却できません。しかし住宅ローンの残債があっても住み替えする方法があります。
 

住み替えローン

 
今の住まいの住宅ローンの残債と新居の購入資金をまとめて借りる方法です。住み替えローンを利用すれば、残債分の返済資金も借りられるので今の住まいの住宅ローンは実質完済することができます。さらに二重ローンになるところを、まとめて返済計画を見直すことも可能です。ただし売却と購入の決済を同じ日に行わなくてはならないため、売却から新居探しまで時間をかけられません。また「オーバーローン」状態での借り入れになるため、通常の住宅ローンより審査が厳しくなる場合が多いです。利用する際はよく検討したほうがいいでしょう。
 

つなぎ融資

 
つなぎ融資とは今の住まいを売却前に新居が見つかったとき、一時的に新居購入費を借り入れる方法です。つなぎ融資を利用すれば、住まいが売却できていなくても新居に住み替えることができます。ただしあくまでも一時的な「つなぎ」なので融資の期限はおおよそ1年以内です。また一般的な住宅ローンよりも金利が高いうえに、手数料などもかかってくるので注意が必要です。
 

ダブルローン

 
ダブルローンは今の住まいの住宅ローンが残っている状態で、新たな住宅ローンを組む方法です。住み替えローンのように売却と購入のタイミングを合わせなくてもよいので、焦って住み替えを進めなくても良いのが利点です。ただし2軒分の住宅ローンの借り入れをすることになるので、それに見合った収入や預貯金、金融機関からの信用が必要になります。
 

任意売却

 
任意売却とは、収入の激減など想定外の理由で住宅ローンの支払いが困難になったときに、債権者の合意のもと住まいを売却してローンを返済する方法です。任意売却できると相場に近い金額で売却できるだけでなく、状況によっては新居への引っ越し費用などの都合もつけられる可能性があります。その代わり任意売却できたとしても一度ローンの支払いが困難になっているので、新たな住宅ローンの審査に通るのは非常に難しいです。さらに、万が一定められた期間で任意売却できなければ競売になる可能性もあります。任意売却を決断する前に、まずは賃貸に住み替えて資金計画を見直してみましょう。
 

スムーズに住み替えるならプロに相談!

 
プロに相談
住まいの住み替えは今住んでいる住まいをできるだけ高く売り、住宅ローンや税金などを賢く支払っていくことが大切です。しかし、どうすれば負担を最小限に抑えることができるのか、判断が難しくて不安ですよね。そのような住み替えの不安を相談できるのが、お金のプロであるファイナンシャルプランナーです。直接相談すれば住み替え後のマネープランまでアドバイスをしてもらえます。相談にかかる費用は無料ですので、気軽に相談してみましょう。
 

住み替えについてのまとめ

 
まとめ
住み替えをするときは、売却と購入のタイミングが重要です。新居の購入よりも先に家を売却すると、売却代金を住宅ローンの返済に充てることができますが、仮住まいをしなければならない可能性があります。逆に新居の購入を先行したときは、住宅ローンの支払いが二重に発生することも考えられます。売却と購入にかかる費用や減税措置もあらかじめよく理解し、段取りよく住み替えを行いましょう。住み替えの資金計画に疑問や不安があるときは、迷わずファイナンシャルプランナーへ相談するのがおススメです。

千葉 雅恵

所属会社:
株式会社スマイルパートナー
所属会社のWEBSITE:
http://www.smile-partner.co.jp
保有資格:
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、NPO法人相続アドバイザー協議会、認定会員(上級アドバイザー)

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