住宅ローンの 申し込みから 融資までの流れ

住宅ローンは、申し込みをしてから融資を受けるまでに時間がかかることをご存知でしょうか。融資を受けるまでに、いくつかのステップが必要になるのです。実際に住宅の購入を決めた際、融資が間に合わない等の問題が出ないよう、申し込みから融資までの流れとポイントを把握し、スムーズな段取りで手続きができるようにしましょう。

 

■住宅ローンの全体の流れ
「事前審査」→「本審査」→「金銭消費貸借契約」→「融資実行」

住宅ローンの申し込みには「事前審査」と「本審査」の2種類があります。「事前審査」は比較的簡易的な審査で、収入等の資料からいくらくらい借りれるのか？個人信用情報に問題はないか？等を見ます。物件の担保評価については、事前の段階でちゃんと見る金融機関と、事前の段階では金額でしか判断しない場合等があります。タイミングとしては、気に入った物件が見つかった時点で行うのが一般的です。契約をした後に、住宅ローンが通らなかったということがないように、契約をするまでに事前審査が通っていることを条件としている売主がほとんどです。人気のある物件だと、住宅ローンの内定が先に下りた方が優先される場合もあります。また、まだ気に入った物件は見つかっていないけど、そもそもどれくらいローンが組めるのか？を知りたい場合には、仮の物件を充てて、審査をすることも可能です。会社員だと収入からおおよその判断はできますが、個人事業主や会社経営者の方は決算書の内容の影響も大きいので、先に審査をするケースも多いです。審査期間は大体2日～1週間程度です。
「本審査」は売買契約を結んだ後に行います。「本審査」では、より詳細な審査を行います。事前審査と一番異なるところは、団体信用生命保険の加入のために、現在の健康状態を申告する告知書の提出が必要になることです。団体信用生命保険が通らない場合、本来は必要のない連帯保証人を付ける条件が付いたり、審査が緩い「ワイド団信」で、金利が予定よりも高くなってしまったり、場合によってはローン自体が組めなくなる可能性もあります。告知内容があり、心配な場合は、事前審査のタイミングで出すこともできるので、事前に相談してみてください。「本審査」の審査期間は大体1週間～2週間程度です。
今までは、事前審査も本審査も、紙ベースでの申込みが主流でしたが、ネットでの申し込みが多くなってきています。申込自体はいつでも行えて便利にはなっていますが、仲介業者が間に入れずに、申込人がご自身で行う必要があるので、ミスがあると審査日数は余計にかかってしまったり、仲介業者が審査状況を把握できない等のデメリットもあります。
「本審査」が通った後は、銀行とのローン契約、「金銭消費貸借契約（金消契約）」を行います。本審査承認後、金銭消費貸借契約までの日数は、金融機関によって異なりますが、少なくとも2，3日～1週間ほど間を空ける必要があります。基本的には銀行で行うので、銀行が空いている平日、または土曜日も空けているところもありますが、人気がありすぐに枠が埋まってしまう可能性もあるので、予定が決まったら、早めに予約を入れることをお勧めします。最近では、自宅でネットで行う、「電子金消」も少しづつ増えてきています。銀行に行く手間も省け、収入印紙代もかからないのでメリットの方が大きいですが、店頭で行うのに比べると、日数が多く必要になるため、余裕をもって行うことが必要です。
その後、「融資実行」となります。「金銭消費貸借契約」から「融資実行」までの期間も金融機関によって異なりますが、3日～1週間以上空ける必要があります。こちらも月末はどうしても混んでしまうので、予定が決まったら、早めの予約がお勧めです。「融資実行」を行った後、司法書士が登記の手続きに行く関係で、平日の午前中、午後であれば遅くとも13時には開始する場合がほとんどです。

■申し込みに必要な書類
「事前審査」に必要な書類は、
・身分証明書のコピー（運転免許証の両面ｏｒパスポートoｒマイナンバーカード等）
・健康保険証のコピー（両面）
・物件に関する資料（販売チラシや謄本等）
・会社員の場合、直近の源泉徴収票
・個人事業主や確定申告者の場合は直近3年分の確定申告書
そのほか、既存借り入れの返済明細表や産休・育休の証明書や職歴書、給与明細等状況に応じて必要な場合があります。

「本審査」に必要な書類は、
・源泉徴収票を提出した人は、住民税決定通知書（勤務先からもらうもの）もしくは、課税証明書（役所にて取得）
・確定申告者は所得税の納税証明書（その1、その2)（税務署にて取得）
・住民票（家族全員記載、続柄記載、本籍とマイナンバーは省略のもの）
・印鑑証明書
等が必要になります。住民票と印鑑証明書は金融機関によって必要枚数が異なりますので、事前に確認ください。

 

□まとめ
住宅ローンの申し込みから融資実行までは早くても約1ヶ月、電子金消などを利用すると1ヶ月半～2ヶ月ほどかかる場合もあります。一番自分に合った方法で進められるように、時間に余裕をもって進めてください。