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家・住宅購入コラム

個人事業主が住宅ローンを組むのは難しいの?

一般的に、自営や個人事業主やフリーランスの方は、会社員と比べて住宅ローンの審査が通りにくいと言われています。それは、金融機関が審査をする上で、最も重要とする「収入」が事業内容によって不安定と見られるためです。事業環境の変化が直接個人の収入に影響を与えたり、病気やケガによる休業で収入が激減する可能性もあるからです。では、個人事業主の方が住宅ローンの審査を出すときのポイントはどんなところなのかを見ていきます。

 

■審査のポイント
個人事業主の方が住宅ローンの審査をする際にポイントとなるのは、主に以下の5つです。
①過去3年分の所得が黒字で安定しているか?
②自己資金割合がどれくらいか?
③過度な節税対策をしない
④正しく確定申告をする
⑤税金や健康保険料を滞納しない

それぞれを詳しく見ていきます。
①過去3年分の所得が黒字で安定しているか?
安定的・継続的な収入があるかを見るため、金融機関は過去3年分の確定申告書および付表(収支内訳書・青色申告決算書等)の提出を条件としているところが多いです。3期の中で1期でも赤字があると審査が通らないところや、直近が赤字でなければ大丈夫なところや、直近が赤字でも軽度であれば相談可能なところなど、審査基準もそれぞれです。医者や弁護士など安定した収入が予想される業種であれば、基準が緩和される可能性もあります。基準となる収入は、所得の3期平均もしくは直近の低い方が基準となります。

②自己資金割合がどれくらいか?
一般的には、個人事業主の方は、物件に対して2割~3割は自己資金が必要と言われています。金融機関によっては、100%ローンが可能なところもありますが、審査に関しては自己資金割合が多い方が有利になります。

③過度な節税対策をしない
個人事業主だと、節税のために経費を多くして、所得を少なくすることもあるかと思います。確かに節税にはなりますが、住宅ローンを組むにあたってはマイナスとなります。節税が出来ないことで納税額は増えてしまいますが、ローンの審査対象となる3期分は、計画的に所得を増やしておく必要があります。売上がどんなにあっても、節税対策で所得を少なくしていると、利益が出ていないと見られ、借入希望額に満たない可能性があります。

④正しく確定申告をする
個人事業主の方は、税理士に依頼せず、自分で確定申告を行うこともあるかと思います。ミスに気付かないまま確定申告をしてしまうと、後で修正申告が必要になり、審査を受けるのに必要以上に時間と手間がかかってしまいます。また、毎年期限内に申告も行うようにしてください。

⑤税金や健康保険料を滞納しない
会社員の場合は、給与から天引きされるので忘れることはないですが、自営業だと自分で払わないといけないので、うっかり未払いが起きる可能性があります。税金の未納は住宅ローンの審査に影響が出る可能性もあるので、注意が必要です。

 

■必要書類
事前審査の際に必要になる書類は、下記の通りです。
・身分証明書のコピー(運転免許証の両面orパスポートorマイナンバーカード)
・健康保険証のコピー(両面)
・物件に関する資料(販売チラシや謄本等)
・確定申告書控え

最初の3点は会社員の人と同じものです。会社員の場合は、これに勤務先からもらう源泉徴収票が必要になりますが、個人事業主の場合は、確定申告書が2年分もしくは3年分が必要になります。申告書第一表、第二表のみではなく、収支内訳書や青色申告決算書等の付表も含めて、提出している全ての書類の提出が必要です。
正式審査の際には、会社員の人と同じく、印鑑証明書・住民票(枚数は金融機関によって異なるため、確認が必要です)、それにプラスして所得税の納税証明書(その1,その2)の原本が2年分もしくは3年分必要になります。印鑑証明書・住民票は役所で取得できますが、納税証明書は税務署での取得になるので、ご注意ください。

 

□まとめ
会社員と比べると審査は厳しくなりますが、それぞれのポイントを抑えて、条件に合うところを探してみてください。フラット35は開業3年未満でも審査可能で、審査基準も他と比べると通りやすい可能性もあるので、選択肢の一つとなると思います。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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