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21年前半戦首都圏マンション市場総括

トータルブレインは「21年前半戦首都圏マンション市場総括および後半戦以降の課題と展望」と題したレポートをまとめました。その中の、「21年前半戦首都圏マンション市場総括」を見ていきます。
総括すると、「20年後半からの市場回復傾向の継続」(同社)といった様相で、販売戸数や価格などは19年に匹敵、あるいはそれを上回る水準が続いています。国内では依然として新型コロナウィルス感染症の影響が広がっているものの、マンション市場に関してはマイナスの影響は少なく、逆に“追い風”として作用した結果と見られます。
まず供給戸数(不動産経済研究所調べ)を見ると、21年1月~6月の新築分譲マンション戸数は1万3277戸でした。コロナ禍による最初の緊急事態宣言が発出された前年同期と比べ77.3%増であり、19年前半の1万3436戸とほぼ同様の数字。同社副社長は「今年後半もこのペースが維持されれば、年間の供給戸数は3万戸プラスアルファ程度になるだろう」と見通しを述べます。
エリア別で見ると、全エリア区分において前年同月比増となっており、特に神奈川(129%増)、埼玉(162%増)、千葉(96%増)で増加幅が大きいです。このうち、神奈川と千葉では19年同期比でも増加。東京23区(前年同期比51%増)も戸数では19年を上回りましたが、シェアは同7ポイント減の44%。東京都下については、戸数は前年同期比27%増ながら19年を大きく下回り、シェアも同3ポイント減の7%となりました。
こうした戸数の動向から、同社は「郊外の供給が回復傾向」と市場を見ています。
着工戸数については、国土交通省の統計を基に「コロナの影響を受け大幅な着工減となった昨年からは回復基調ですが、19年の水準を若干下回っており、年間5万6000~7000戸のペース」(同社)と予測。また「販売好調にもかかわらず着工が伸びない」ことの要因として用地不足を挙げています。

価格に関しては、コロナ下においても上昇傾向が続いています。21年前半の平均単価は3180万円で、20年の年間平均から3.9%上昇。戸当たり平均価格も20年比5.4%上昇の6414万円でした。ただし、エリア別の価格推移には濃淡が見られます。
坪単価については、東京23区(同1.7%上昇)や埼玉(同7.3%上昇)、千葉(同3.8%上昇)で伸びた半面、東京都下(同2.6%下落)と神奈川(同3.3%下落)は前年を下回りました。郊外部を中心として割安だったエリアでの上昇が目立つとともに、都心の富裕層向けハイグレード物件でも価格の上昇が継続している様子がうかがえます。
各エリアの詳細を見ると、その傾向は更に鮮明となります。坪単価の19年比では、東京23区のうち「超都心3区」(港、千代田、渋谷)と「都心3区)(中央、新宿、文京、城北5区では大幅に上昇し、城東5区でも上昇。他方、城南4区と城西3区では下落となりました。
交通利便性が特に高い都心で上昇が続くとともに、利便性の高さに対してこれまで割安だった城北も大幅に上昇。先行して価格が上昇していた城東では伸びが鈍化し、以前から価格水準が高かった城南・城西では「やや頭打ち傾向が出ている」(同社)といった結果です。
コロナ下において、割安感で“賃貸脱出組”からの需要が顕著に高まった埼玉・千葉における価格上昇も踏まえると、一般的な実需層が購入可能な郊外エリアの物件と、コロナで悪影響を受けていない富裕層・パワーカップルなど向けの都心物件では販売が好調であり、それぞれの価格上昇とともに二極化も進行しているようです。
こうした背景もあり、一般層向けの物件は価格競争力を重視する傾向がより高まっています。以前は広さが優位点だった郊外エリアでも、専有面積を狭めて1~2LDKのプランを中心とする商品企画が存在感を増しており、戸当たり価格の圧縮志向が強まっています。

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