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家・住宅購入コラム

22年度税制改正要望

22年度の国土交通省における税制改正要望では、新築、既存を含め、住宅取得の負担軽減に関する特例措置の拡充・延長要望が目立っています。また新築住宅に係る固定資産税軽減措置の延長や、所有者不明土地に対応した新規特例措置の創設も盛り込まれました。

住宅ローン減税に加え、注目されるのが「土地に係る固定資産税における特例措置」です。21年度は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う環境変化を踏まえ、納税者の負担感に配慮するため、評価替えを行った結果、税額が上昇するすべての土地について20年度税額に据え置く措置が講じられました。22年度は、21年度評価替えの結果が反映され、大きく地価上昇した地点を中心に固定資産税負担が増加する見込みです。一方、景気は依然として厳しい状況が続いていることから同省では「社会経済情勢や地価動向等を踏まえ、必要な検討を行った上、所要の措置を講じる」としました。
「住まいの質の向上・無理のない負担での住宅の確保」の項目では延長要望が並びました。新築住宅に係る固定資産税については、減額措置(戸建て3年間、マンション5年間、どちらも2分の1減額)の2年間延長を要望しました。住宅取得者の初期負担の軽減を通じて良質な住宅の建設を促進し、居住水準の向上や良質な住宅ストックの形成を図るためのものです。同特例による負担軽減効果は、2000万円の住宅を新築した場合、3年間で約26万円の固定資産税額の軽減(国交省推計)となります。
既存住宅流通・リフォーム市場活性化の観点からは、個人が宅地建物取引業者により一定の質の向上を図るための改修工事が行われた既存住宅を取得した場合の登録免許税の減額措置について2年間の延長を要望しました。
また、住宅リフォームに係る特例措置については、一部要件を緩和したうえで、2年間の延長を要望。所得税控除に関しては省エネリフォームの工事要件のうち「全居室の全窓の断熱改修工事」を「窓の断熱改修工事」に緩和し、固定資産税の減額に関しては省エネ化リフォームの築年数要件を見直すこととしました。

22年度税制改正要望では、コロナ禍からの回復を見据え、グリーン社会の実現、DXの加速による社会経済活動の成長を目指す内容です。省エネ性能等に優れた住宅の普及を促進するため、住宅ローン減税等の特例措置に加え、認定住宅に係る登録免許税、不動産取得税、固定資産税に関する延長要望も盛り込みます。
土地の有効活用を推進するため、所有者不明土地の発生抑制対策となる特例措置の創設も掲げます。具体的には、ランドバンクが土地・建物を購入する際の不動産取得税の軽減と、土地取得者がランドバンクから土地を購入する際の登録免許税の軽減措置です。また、地域活性のかんてんから「居心地が良く歩きたくなるまちなか創出のための特例措置」の拡充・延長、流域治水に関連した「貯蓄機能保全区域の指定に係る特例措置の創設」、防災上重要な道路の無電柱化のための特例措置の拡充・延長も要望しています。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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