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家・住宅購入コラム

家を買うときに押さえておくべき注意点!間取りや住環境なども解説

家を買うということは、結婚や子育てなどと同じく大きなライフイベントのひとつです。そのため、新しい我が家には大きな期待をもつことでしょう。ただし、大きな期待と同時に家を買うときには注意しなければならない点もあるのを忘れてはなりません。

本記事では家を買うときに押さえておくべき注意点および間取りや住環境などについて、筆者の体験談も交えて解説していきます。

本記事を読むことで、家を買うときに注意すべき点について理解することができるでしょう。
主な解説内容は以下のとおりです。

土地についての注意点

家を買う場合、土地がある人は新たに買う必要はありませんが、土地から探さなければならない人も多いのではないでしょうか。ここでは土地についての注意点をいくつか挙げていきます。

土地探しからはじめる場合

家を買うとき、建てる土地がない場合は土地探しからはじめなければなりません。土地情報は最寄りの不動産会社へ赴き直接問い合わせるか、インターネットで調べて土地情報を集めるかして条件の合った土地を探しましょう。

土地についての注意点として、以下の点が挙げられます。

・田や畑などの農地だった場合、地盤改良工事が必要
・前面道路の幅員が4m未満の場合、セットバックが必要
・雪国の場合、冬季間の雪寄せスペースを確保できる広さがあったほうがよい

不動産業者などで売り出している分譲地であれば、地盤改良工事が必要な場合は業者で実施しますが、普通に売地を買って家を建てる場合の地盤改良工事は自分で代金を支払わなければなりません。

買った土地の前面道路も幅員が4m未満であった場合は、セットバックが必要となり、セットバックすることによって土地の面積が狭くなります。建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路が建築基準法上の道路とされ、建築基準法上の道路に2m以上接していないと家を建てられません。

そのため、買った土地の前面道路が4m未満の場合はセットバック部分を道路部分として提供しなければならず、提供したぶん土地は狭くなります。無論、セットバックなどの不利益となる事項は、よほど悪徳業者でもない限り隠すようなことはないので安心してください。

また、雪国の場合は除雪のことも考えなければなりません。水路などがある場合はともかく、雪寄せスペースがないと家を買ったあとに除雪で苦労するでしょう。どうしても雪寄せスペースが確保できない場合は、ロードヒーティングや地下水などの融雪設備を設けるなどの対策をおすすめします。

参考文献:建築基準法 | e-Gov法令検索

不動産売買契約時の注意点

希望の土地が見つかり、購入したい旨を伝えると売主と不動産売買契約を締結するのですが、不動産売買契約に先立って宅地建物取引士から重要事項の説明を受けなければなりません。

重要事項の説明とは、不動産売買契約書に記載されている内容のなかで特に重要となる事項をピックアップして事前に買主に説明することです。この重要事項の説明は宅地建物取引士のみに許される独占業務ですので、誰彼とやっていい業務ではありません。

そのため、重要事項の説明をする宅地建物取引士は宅建士証を提示して説明をおこないますが、もし宅建士証の提示をしなかった場合は宅建士証を提示するよう求めましょう。

重要事項の説明を受けている最中、特に買主にとって不利益になる事項は必ず説明しますので、あとになって「そんなの聞いていない」ということにならないよう注意が必要です。

重要事項の説明を聞いていて不明な点があったら必ず質問するようにしましょう。重要事項の説明によって契約内容を把握したうえで不動産売買契約となります。

建て直しの場合

もともと建ってあった家を解体し建て直す場合も注意が必要です。解体後、基礎工事をする前に地盤調査を実施しますが、長年同じところに家が建っていたからと油断してはなりません。かくいう筆者、ひいては工務店も地盤については完全に油断していました。

昔は家を建てる際、現在のような地盤調査はおこなわれていませんでした。しかし近年では家を建てる際、地盤調査を行わなければなりません。地盤調査の結果、軟弱地盤と判定されれば基礎工事の前に地盤改良工事を実施します。

筆者の場合も長年同じ場所に家が建っていたので、地盤は問題ないだろうとたかをくくっていました。しかし地盤調査にて軟弱地盤であることが判明し、地盤改良工事に思わぬ出費が出たという苦い経験があります。

これから家を買う人には同じ目には遭ってほしくないものです。

金融機関についての注意点

つぎは金融機関についての注意点を見ていきましょう。家を買う場合、宝くじにでも当たらない限り現金で買う人はまずいません。ほとんどの人が住宅ローンを組んで家を買います。

金融機関についての注意点を以下にまとめました。

金利や審査基準は金融機関によって異なる

私たちの住んでいる街には地元の銀行や近県の銀行など、さまざまな金融機関が存在しています。それぞれの金融機関が住宅ローン商品を取り扱っており、金利や審査基準なども金融機関によってまちまちです。

そのため、金融機関選びには少し時間をかけたほうがよいでしょう。筆者も住宅ローンの相談には3つの金融機関に相談し、それぞれの条件を総合的に見て判断するまで約半年かかりました。

くり返しになりますが、住宅ローンの審査基準は金融機関によってまちまちです。たとえA銀行で融資がむずかしいといわれてもB銀行では融資が受けられる可能性もあります。そのため、1ヶ所に住宅ローンの融資を断られても諦める必要はありません。

条件のよい金融機関をじっくり探しましょう。

団体信用生命保険

住宅ローンで必要となるのは年収や勤続年数だけではありません。一般の住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険の加入を必須としています。団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者に万一のときや何らかの原因で高度障害状態となった場合に住宅ローン残債が保険金で支払われるという保険です。

住宅ローンは長年にわたってつづくものなので、貸す側借りる側双方とも高いリスクを背負っています。団体信用生命保険も生命保険の1つなので、健康であることが必要不可欠です。一般の生命保険と違って「保険は嫌いだから」と断ることは当然できません。

持病があるなど、健康上の理由で団体信用生命保険に加入できない場合は、持病があっても入れる団体信用生命保険や団体信用生命保険が任意加入であるフラット35も検討するとよいでしょう。

ただし、金融機関によっては持病があっても入れる団体信用生命保険やフラット35の取り扱いがない場合もありますので、注意が必要です。

いずれにしても健康上の問題がある場合は、金融機関にその旨を正直に話しましょう。

借入限度額と返済可能額を混同しない

よく間違える点として、借入限度額=返済可能額と思っている人が多いことでしょう。年収が高ければ高いほど借入限度額も高くなるのは当然ですが、借入限度額いっぱいの融資を受けてしまうと返済ができなくなってしまうリスクもあります。

住宅ローンを借りるときは、返済可能額を目安に借りるとよいでしょう。つまり無理なく返済できる金額です。住宅ローンは長年にわたり返済していかなければならないので、借入限度額はあくまで参考程度に留めておき、返済可能額の範囲内で借りるようにしましょう。

新築または増改築工事中の注意点

ここからは、新築や増改築工事中での注意点について解説します。新築・増改築工事中に手付金や中間金の支払いもありますが、当記事では新築・増改築工事に焦点を当てていきましょう。

構造をマメにチェック

新築・増改築工事中、現場を見に行くことは可能です。また、壁の内側や配管など工事中でしか見ることのできない部分も多々あります。実際筆者も週1ペースで新築工事現場には足を運びました。作業の邪魔にならない程度に留めておくのは当然ですが、工事段階のうちでしか見ることのできない箇所がたくさんあります。

基礎の仕上がりはどんな感じかであったり断熱材はどのように取り付けられているのかであったり、自分の目で確認し写真を撮っておくのもよいでしょう。筆者も見に行くたびに写真をたくさん撮りました。

なお、建売住宅を買う場合は最初から完成している家を買うことになるため構造の確認はできず、工務店やハウスメーカーの話を聞くくらいでしか確認できません。

実物は図面の想像どおりとは限らない

家を買うとき、何度も工務店へ足をはこび打ち合わせを重ねるでしょう。その際に平面図を提示されますが、平面図だけだと意外と広いなと想像するかもしれません。しかし、実際に仕上がってみると想像していたより狭いなどといったこともあるでしょう。

さすがに仕上がってしまえばもうどうにもなりませんが、設計の変更をしてほしい等の希望があれば早めに工務店へ相談し、可能であれば設計変更の希望を伝えます。予算との兼ね合いもありますが、できる限りの調整はしてくれるはずです。

間取りや住環境について

昔は大家族がひとつ屋根の下で暮らすのがごく当たり前でしたが、近年は核家族化が進み親子もしくは夫婦のみでの暮らしが増えてきました。

そのため、現在は昔ほど大きな家を建てることもあまりなくコンパクトにまとめた家が主流となっています。以下に間取りや住環境について見ていきましょう。

将来的に親と同居予定であれば1部屋確保したほうがよい

核家族化は進んでいるとはいうものの、将来的に年老いた親を引き取って面倒を見ようと考えている人は、親の部屋を1部屋設けるとよいでしょう。介護が必要となる事態にも備えた間取りとするのが望ましいですが、要介護状態となった場合は介護保険を使って住宅改修をすることもできます。

親の部屋の位置は安全面を考慮して、2階よりも1階がよいでしょう。将来、自分が年老いてから使用することもできますので、普段使う部屋とは別にもう1部屋確保するのをおすすめします。

住みやすい環境なのかも大事

家を買うときには、住みやすい環境なのかについても調べておいたほうがよいでしょう。同じ場所に建て直す場合は問題ありませんが、知らない土地に建てる場合は、近隣の環境もよく調べておくとよいです。

閑静な住宅街なのか賑やかな繁華街が近いのかなどの環境もそうですが、隣近所にどんな人が住んでいるのか事前に把握しておくのも重要です。

都会では隣の人も知らないといったことも普通にあるようですが、筆者の住む地方の小さな街では親交のあるなしにかかわらず、どんな人が住んでいるかくらいはだいたい把握しています。

決して無理して仲良くすることもありませんが、これからご近所さんとなるのでうまくやっていかなければなりません。

まとめ

一戸建て

ここまで家を買うときに押さえておくべき注意点などについて解説してきました。家を買うときは、土地探しからはじめる人もいればもともと住んでいた家を解体して建て直す人もいるため、スタートラインは人それぞれです。

土地などの不動産は、工場で大量生産されている品物と違い同じものは二つとありません。そのため、自分にとってよい土地にめぐり合うのは運命の赤い糸みたいなものでしょう。

建て直しの人も、筆者のような憂き目に遭わないよう軟弱地盤であることも想定しながら予算を組むことを強く勧めます。可能であれば隣近所の住人から地盤について聞いてみるのもよいでしょう。

地盤調査の結果、問題ないと判定が出れば足枷がひとつ外れたようなものです。あとは基礎工事と躯体工事が着々と進み完成を楽しみに待つのみとなります。

家の購入は一生に一度の高い買い物ですので、買って後悔するのではなく、よい家が買えてよかったと思えるようになりましょう。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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