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家・住宅購入コラム

これから不動産価格は下落する?価格が下がりにくい土地の特徴とは

不動産価格は景気や住宅需要などによって変動しています。不動産売却を検討中の方の中には、今後の不動産の価格がどう推移していくのか気になっている方も多いのではないでしょうか。不動産を売却するのであれば、不動産価格が下落することなく高い価格で売却できたら嬉しいですよね。
本記事では不動産価格の推移や不動産価格が下落してしまうときの原因および対処法を紹介していきます。

 

 

◆不動産・マンション価格の過去推移は?

 

まずは不動産やマンションの過去の価格推移を確認していきましょう。
不動産価格指標は毎年国土交通省が発表しています。マンションや戸建て住宅といった物件種別の分析だけでなく、地方別の不動産価格指標も発表しているので、自分が所有しているエリアや物件種別の不動産の価格を把握しやすくなっています。

 

不動産価格指標から見る不動産・マンションの価格推移

 

令和2年4月からの不動産価格指標をもとに不動産やマンションの価格推移を解説していきます。

 

不動産価格指数(住宅)

物件種別 令和3年4月 令和3年3月 令和3年2月 令和2年4月
住宅総合 118.0 117.2 117.2 113.6
マンション 161.3 159.4 159.1 151.9

参照元:国土交通省

 

上記の表を見てわかるようにマンションや住宅総合の価格は令和2年4月より上昇を続けています。
この表から見る限り、マンション含む不動産の価格推移は上昇を続けているといえるでしょう。続いて公示地価から不動産の価格推移を解説していきます。

 

公示地価から見る不動産の価格推移

 

公示地価とは、国道交通省が発表している毎年1月1日時点での全国の標準地の土地の価格です。
公示地価は毎年3月に発表されるので、過去数年分の公示地価を遡れば土地の価格推移がわかります。
ただし公示地価は全国全ての土地で価格を調べているわけではなく、標準値として決められた場所の価格を測定しています。

 

平成24年から令和3年までにわたる過去10年分の住宅地における公示地価の全国平均の推移および変動率は下記のとおりです。

 

平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年 令和2年 令和3年
平均
価格
110,700 106,300 101,700 102,600 109,800 112,100 114,100 116,900 119,900 120,000
変動率 -2.3 -1.6 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.3 0.6 0.8 -0.4

参照元:国土交通省

 

上記の表を見ると、平成24年から平成28年まで土地の価格は下落傾向にありました。しかし平成29年からは上昇し、不動産の価格は上がっています。不動産の価格は景気や住宅需要などによっても変動していきます。また、物件種別やエリアによっても価格推移にも差が生じるはずです。不動産を売却したい、購入したいと思ったときには自分が欲しい物件種別、エリアに関する情報を集めていくのが大切です。

 

 

◆2022年以降の不動産価格下落が懸念されている理由は?

 

公示地価の推移から見てわかるように不動産価格は2020年までは上昇傾向にありました。その一方で2022年以降は不動産の価格は下落するのでは、と予想されています。2022年以降に不動産価格下落が懸念されている理由はひとつではありません。それぞれ確認していきましょう。

 

新型コロナウイルスの影響

 

まず不動産価格推移に影響があるとされているのは新型コロナウイルスの流行です。
新型コロナウイルスの流行による住宅業界への主な影響は以下の通りです。

 

  • ・新型コロナウイルス流行による世帯収入の減少
  • ・在宅勤務の増加などニューノーマルな生活
  • ・景気停滞による金融機関の住宅ローン審査が厳しくなる

 

新型コロナウイルス流行当初は住宅購入数に変化があるといわれていましたが、2022年3月時点では住宅需要の変化は落ち着いています。
しかしその一方で、住宅選びの要素が新型コロナウイルス流行前と流行後では変化しているともいわれています。

 

  • ・在宅勤務しやすいように仕事用のスペースを確保する
  • ・家族で陽性者が出ても隔離しやすいように部屋数を確保する
  • ・部屋数を確保するためにマンションよりも戸建ての需要が高まる

 

このような変化によって駅に近いマンションが人気だったのが、郊外の一戸建てに需要が集まるのではないかと考えられています。

 

世帯数の減少・地方の人口減少

 

日本は少子高齢化社会であり、世帯数は人口減少に伴い減少していくと予想されています。全国的に世帯数が減少するのに加えて、地方では若い世代の人たちが都心に出てしまうことで既に人口減少が課題として浮き彫りになっています。

 

  • ・世帯数の減少
  • ・人口減少

 

これらによって住宅需要は減少していくはずです。住宅が余ってしまう状態になれば供給過多となり、不動産価格は下落していくと予想されます。

 

外国人投資家・資本の流出

 

日本の不動産は外国人投資家にも人気があります。アジアの中でもカントリーリスクが低く、割安で利回りが期待できると判断されています。実際に東京オリンピックの特需に伴い、2019年と2020年では2年連続で外国人投資家による不動産投資額が1兆円を超えました。

 

外国人投資家が日本の不動産を買うと不動産価格は上昇しますが、それは実際の住宅需要とは異なるかたちでの価格推移です。外国人投資家たちが何らかの理由で「日本の不動産は投資対象にならない」「もっと他に良い投資対象を見つけた」と判断した場合には、外国人投資家が不動産を売却し一気に価格が下落する恐れがあります。

 

金利上昇

 

住宅ローンの金利が上がれば住宅需要は下がり、反対に金利が下がれば住宅需要は上がって価格は上昇するので、不動産価格は金利の変動の影響も受けます。日本の金利は長年にわたって低い状態が続いていて、今後は金利が上昇するのではないかと予想されています。

 

政策金利が上がるもしくは金融機関が住宅ローン金利を引き上げたときに、不動産の買い控えが進む可能性が高いです。また金利引き上げで買い控えが起きると、先ほど解説した外国人投資家や国内の投資家が不動産を一気に手放す流れも予想できます。投資家が不動産を手放すと、さらに価格は下落するでしょう。

 

生産緑地の2022年問題

 

生産緑地には30年間の相続税の納税猶予や固定資産税に関する税制優遇が用意されています。しかし30年間を過ぎてしまうとこれらの優遇措置は受けられなくなってしまいます。期限を過ぎたら市区町村による買取、それができなければ市場での売却が可能です。

 

1992年に生産緑地と指定された土地は2022年で30年の期限を迎えます。それにより大量の生産緑地が市場に出回るはずです。不動産の需要と供給のバランスが崩れるので、価格の下落が予想されています。

 

◆今後も価格が下がりにくい不動産の特徴は?

 

先ほど解説したようにこれからの日本の不動産価格はいくつかの下落リスクを持っています。これから不動産を購入する方は、出来るだけ価格が下がりにくい不動産を購入したいと考えるのではないでしょうか。

 

今後も価格が下がりにくいと考えられている不動産の特徴を紹介していきます。

 

利便性が高く災害の少ない人気エリア

 

不動産の価格が高く常に人気が高いエリアはある程度限定されています。主要路線の駅の近くや都心に近い土地はそれだけ評価され価格変動リスクを抑えられるはずです。郊外であっても複数路線が停車するターミナル駅であれば、価格は下落しにくいです。他にはスーパーやコンビニ、学校など周辺環境がどれだけ整っているかも不動産の価格を決める重要な要素になります。

 

そして日本では災害が頻繁におきます。近年では異常気象に伴い、地震だけではなく水害リスクも不動産の価格に影響を与えています。その土地が持つ災害リスクを調べるためには、都道府県や各自治体が発表しているハザードマップなどを確認してみるのも良いでしょう。

 

入居者の高齢化がなく戸数が多い

 

地域全体で高齢化が進んでいるエリアでは、不動産の需要増が見込めないので今後、価格が下落しやすいです。逆にいえば、戸建て数が多くファミリー世帯など若い世帯が住宅を購入しているエリアは今後も住宅需要が続き、価格が下がりにくいと考えられます。

 

さらに、少子高齢化が進んでいる地域では将来にわたり税収が減少していくと予想できます。税収が減少するのに伴い、地域のインフラ整備などに回す予算が減ってしまうかもしれません。それにより、不動産価格がさらに下落するという悪循環に陥る場合もあります。

 

 

◆不動産の価格下落に有効な対策は?

 

「不動産の価格が下落するって言われてもどうすれば良いかわからない」「不動産をいつ売却すれば良いんだろう」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
確かにせっかく所有している不動産の価格が下がってしまうのは困りますよね。

 

不動産の価格下落に有効な対策を紹介していきます。

 

損失が拡大する前に損切りする

 

現在住んでいる土地や建物ではなく、投資目的もしくは相続などで手に入れた不動産の場合には、損失が拡大する前に損切りをする心構えを持っておきましょう。
特に不動産投資を行っている場合には、運用利回りだけでなく出口戦略まで考えておく必要があります。

 

相続で空き家を手に入れた場合、使う予定がないのに所有し続けていると管理コストもかかりますし、価格が下落してしまうかもしれません。
現在であればいくらで売却できそうなのかを調べて、売却時期の計画を立てていくのがおすすめです。

 

将来の予測は最新情報で行う

 

新型コロナウイルスの流行や世界情勢の変化、景気の変動など現代社会では様々な情報が渦巻いています。
そのため、将来の予測を行うときには最新情報を使用して行うようにしましょう。

 

不動産会社のメディアや経済ニュースを確認するときにも、記事の掲載日や更新日時を確認しておくのが安心です。
もちろん国土交通省が発表する公示地価などの不動産価格に関する情報も最新情報を入手するのが良いでしょう。

 

優良なパートナーから質の高い情報を仕入れる

 

「不動産を売りたい」と思っても実際にどんな手順で売却をすれば良いのか、どうやって売却活動をしていけば良いのかなどと悩んでしまう方も多いかと思います。
不動産売却を進める際には不動産会社に仲介してもらうのが一般的です。

 

不動産を売却したい、情報を集めたいと思ったタイミングで不動産会社と繋がりを持っておくのが良いでしょう。信頼できる不動産会社を見つければ、売るべきタイミングや良い買い手が見つかった段階で連絡をくれますよ。

 

 

◆お金と不動産のプロに相談して、下落の不安に備えよう

 

東京オリンピックの影響もあり、日本の不動産価格は過去数年間、上昇を続けていました。
その一方で、2022年以降は様々な理由で不動産価格が下落するのではないかと予想されています。不動産売却を考えている場合には、価格が下落し始める前に売ってしまうのが理想です。売り時を逃さないためにも、まずは所有している不動産価値を調べるのがおすすめです。不動産やお金に関する相談は、信頼できる不動産会社にするのが良いでしょう。

 

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徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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