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家・住宅購入コラム

公示価格と実勢価格の違いとは?調べ方と計算方法まとめ

「不動産の評価はどうやって行えばいいんだろう?」「公示価格と実勢価格どちらが土地の評価方法なんだろう?」とお悩みの人はいませんか?

 

土地の評価額計算方法は全部で6種類あり、公示価格も実勢価格もその中のひとつです。
土地の評価方法は目的によって計算方法が異なります。土地の評価方法6種類は以下のとおりです。

 

不動産
評価額
評価の決め方 評価額の調べ方 使用目的・シーン
実勢価格(時価) 実際の取引
で決まる
一括見積り 不動産を売却したいとき
公示地価 国土交通省が毎年
1月1日に決定する
・国土交通省が運営している土地総合情報システム内の国土交通省地価公示・都道府県地価調査・一般財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップ ・一般的な土地売買をするとき
・公共事業で土地を買い取るときの参考価格として
基準地価 各都道府県が毎年
7月1日に決定
・国土交通省が運営している土地総合情報システム内の国土交通省地価公示・都道府県地価調査 ・一般的な土地売買をするとき
・公共事業で土地を買い取るときの参考価格として
路線価図・評価倍率表・相続税評価額 国税庁が毎年
1月1日に決定
路線価図・評価倍率表 相続税や贈与税の計算をするとき
固定資産税評価額 各市区町村が3年ごとの1月1日に決定 固定資産税納税通知書
もしくは固定資産課税台帳を確認する
・不動産の価値を知りたいとき
・不動産にかかる固定資産税を知りたいとき
鑑定評価額 不動産鑑定士が
算出する
不動産鑑定士による鑑定評価 不動産の客観的な価値を知りたいとき

 

このように土地は目的によって様々な評価額を使い分けて計算されます。
本記事では6種類の評価額の中でも公示価格と実勢価格について詳しく解説していきます。

 

 

◆公示価格と実勢価格の違いとは?

 

公示価格と実勢価格はどちらも土地の評価方法です。公示価格も実勢価格も不動産を売却するときの参考価格として使用されます。公示価格と実勢価格は使用用途が似ていますが、実は全くの別物です。公示価格と実勢価格の違いを解説していきます。

 

公示価格とは?国土交通省による適正価格

 

公示価格とは国土交通省が毎年1月1日に発表している土地の評価額です。公示価格は、不動産鑑定士2人以上で評価額を決めています。ただし日本全国すべての土地の公示価格を求めるのにはコストがかかるので、都市計画区域や土地取引があると予想される土地のみで公示価格を測定しています。

 

公示価格は買手、売手どちらの立場にも立っていない中立の価格です。
そのため土地取引の参考価格として活用されています。

 

実勢価格とは?実際の市場価格

 

実勢価格とは、実際に土地の売買が成立したときの価格を指しています。そのため土地取引が数年にわたってない土地に関しては、正確な実勢価格を出すのは難しいでしょう。実勢価格がわからない土地は近隣エリアの実勢価格や公示価格を参考にして土地の取引金額を決める場合が多いです。

 

また実勢価格は実際の取引価格なので、取引内容によっては売手もしくは買手にとって有利な価格が設定されている場合もあります。そのため不動産取引を行うときに近隣エリアの実勢価格を調べたとしても、参考価格と認識しておくのが良いでしょう。

 

 

◆公示価格の調べ方手順

 

公示価格を調べるときには、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」を使用します。具体的な手順を確認していきましょう。

 

国土交通省「標準地・基準値検索システム」にアクセス

地価公示都道府県地価調査をクリック

調べたい土地のエリアを選択 

都道府県地図の中から公示地価を調べたい場所をクリック

条件を選択し公示価格を確認する

1.調べたい評価額
2.調査年
3.用途区分
4.地価

 

最後に上記の条件を入力して検索をクリックすれば、条件に合う公示地価の情報が一覧で表示されます。今回紹介した地図をクリックして公示地価を調べる方法以外にも詳細情報を最初に入力して調べる方法もあります。

 

◆実勢価格の調べ方手順

 

続いて実勢価格の調べ方を確認していきましょう。実勢価格を調べる方法は、以下の4種類です。

 

1.国土交通省「土地総合情報システム」を使用する方法
2.公示価格から実勢価格を割り出す方法
3.固定資産税評価額から実勢価格を割り出す方法
4.路線価から実勢価格を割り出す方法

 

それぞれ詳しく解説していきます。

 

国土交通省「土地総合情報システム」を利用して実勢価格を調べる方法

 

実勢価格も公示価格と同様に、土地総合情報システムを利用して調べることが可能です。国土交通省が運営する土地総合情報システムにアクセスしたら、不動産取引価格情報検索をクリックします。不動産取引価格情報検索をクリックすると、以下の条件によって絞り込みが可能です。

 

・時期
・種類
・地域

 

上記の種類で絞り込み検索をすれば、過去の取引事例が表示され、実勢価格もわかります。

 

公示価格から実勢価格を割り出す計算方法

 

実勢価格は、公示価格をもとに計算できます。実勢価格と公示価格の関係は以下の計算式で表せます。

 

【実勢価格=公示価格×土地面積×1.1~1.2】

 

上記のように1.1~1.2倍とばらつきがあるのは、公示価格は不動産鑑定士2人以上が売手と買手双方にとって中立な価格を算出しているからです。それに対して実勢価格は実際の取引価格なので売手と買手の交渉によって価格が変わります。そのため地域や取引内容によって、公示価格と実勢価格の乖離率が異なります。公示価格から実勢価格を割り出す方法であれば、取引事例がない土地でも実勢価格の目安を算出可能です。公示地価は先ほど解説したように、国土交通省が運営している土地総合情報システムを使用すれば、調べられます。

 

固定資産税評価額から実勢価格を割り出す計算方法

 

不動産の評価方法のひとつである固定資産税評価額を使用しても、実勢価格を計算できます。固定資産税評価額は公示価格の7割程度の金額だからです。固定資産税評価額を使用して実勢価格を出す計算式は以下の通りです。

 

【実勢価格=固定資産税評価額÷0.7×1.1】

 

固定資産税評価額は毎年自治体から土地の所有者に対して送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されています。正確には納税通知書に同封されている課税明細書の「価格」「評価額」の項目に記載されています。固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書を確認すれば簡単にわかるので、土地の所有者が実勢価格を知りたいときにおすすめの方法です。例えば所有している土地を売却して引っ越したい場合には、固定資産税評価額から実勢価格を割り出し売却計画を立て始めるのも良いでしょう。

 

路線価から実勢価格を割り出す計算方法

 

路線価から実勢価格を計算することも可能です。というのも、路線価は公示価格の7~8割程度に設定されているからです。路線価を使用して実勢価格を割り出すときの計算式は以下の通りです。

 

【実勢価格=路線価×土地面積÷0.8×1.1】

 

路線価は国土交通省の管轄ではなく、国税庁の管轄なので国税庁HPの「路線価図・評価倍率表」で調べられます。路線価図・評価倍率表の使い方は土地総合情報システムとよく似ていて、地図の中の調べたい地域をクリックし絞り込んでいく仕組みです。この方法は、路線価と実勢価格両方を知りたい方におすすめできる方法です。例えば相続した土地を売却したい場合には、路線価を算出して相続税を計算し、そのまま売却相場である実勢価格を計算できます。路線価を使用して実勢価格を割り出す方法に関しても、計算して出た価格はあくまでも参考値である点にご留意ください。

 

 

◆公示価格と実勢価格には差(乖離)がある事が多い

 

本記事で何度か解説しましたが、公示価格と実勢価格には差が生じる場合が多いです。そのため公示価格を調べただけで、不動産の売却もしくは購入計画を考えるのは避けた方が良いでしょう。公示価格と実勢価格に差が生じる理由はいくつかあります。詳しく解説していきます。

 

公示価格と実勢価格の乖離が生じる理由は?

 

公示価格と実勢価格に差が生じる理由は、主に以下の2つです。

 

1.公示価格と実勢価格は評価したタイミングが異なるから
2.実勢価格は細かな条件で変動するから

 

公示価格は毎年1月1日時点の土地の評価額を算出し、例年3月ごろに発表されます。それに対して実勢価格は不動産取引があったタイミングで評価額が決定します。例えば土地取引が少ない地域の場合、公示価格はその年の1月1日時点の価格が算出されていますが、実勢価格は何年も前の不動産取引しか見つからない場合もあるでしょう。

 

不動産も周辺環境の変化や景気動向により日々値動きがあり、公示価格と実勢価格の評価したタイミングがずれればずれるほど乖離率は大きくなってしまいます。さらに実勢価格は、実際の不動産取引によって決まった金額です。売手と買手のパワーバランスや当時の交渉によって、価格が変動してしまうケースも多いです。

 

公示価格と実勢価格の乖離率の調べ方

 

「公示価格と実勢価格の乖離率を知りたい」「自分が売却する土地の正確な売却相場を知りたい」と考える人も多いのではないでしょうか。公示価格と実勢価格の乖離率を調べるツールもありますが、精度に難があり、公示価格をもとに正確な実勢価格を算出するのは難しいといえるでしょう。また不動産の正確な実勢価格を出したところで、その数値はあくまでも過去の取引価格であり、参考値でしかありません。実際に土地を売却もしくは購入するときには、買手や売手と交渉する必要があり、交渉によって価格が変動します。

 

例えば売手が年収減などで住宅ローンの支払いが難しくなり、できるだけ早く不動産を売却したいと考える場合を考えてみましょう。この場合は売手の方が焦って買手を探しているので、他の条件に大きな差がないのであれば安く買いたたかれ、実勢価格よりも売却額が低くなる可能性が高いでしょう。

 

 

◆正確な実勢価格は不動産査定が必要!住まいの無料相談がおすすめ

 

公示価格も実勢価格も実際の不動産取引においてはあくまで参考値です。不動産取引を成功させたいのであれば、信頼できる不動産会社に査定をしてもらうのが良いでしょう。スタイルシステムでは不動産の査定を行っています。スタイルシステムの主な特徴は以下のとおりです。

 

・机上査定・訪問査定(現地査定)ともに可能
・相談は何度でも無料
・対面ならでは細やかなご案内で理解度アップをサポート

 

「土地を売却したい」「持っている土地がいくらになるのか知りたい」とお悩みの人は一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

 

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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