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家・住宅購入コラム

20年上半期の中古マンションの成約戸数

20年上半期の中古マンションの成約戸数は1万6499戸であり、近年の上半期の成約戸数のみを見ると、13年以降で最低水準となり、19年上半期(1万9947戸)の過去最高水準より17.3%低下しました。

近年の月次の成約戸数の前年同期比を見ると、13年には住宅需要が拡大してほぼ2桁台の上昇が続いたものの、14年になると鈍化し、消費税増税が実施された4月からはマイナスに転じ、15年の3月まで続きましたが、4月からは再び上昇に転換しました。16年以降、前年同期比は一進一退を繰り返しながらも毎月の成約戸数が3000戸を上回る月が多くみられ、19年3月に初めて4000戸以上に達し、その後はまた3000戸台前後で推移していました。20年に入ってから、1月(2680戸)、2月(3749戸)は前年同期より多く、3月(3642戸)は前年同期より低下したものの、19年の毎月平均成約戸数(3176戸)より高い水準でした。

しかし、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、外出自粛が強化されて休業した仲介業者も多く、4月と5月の成約戸数は1000戸台まで大幅に減少しました。経済活動再開に伴い、6月はすぐに3000戸台まで回復しました。

「不動研住宅価格指数」によると、首都圏は20年6月時点に92.55ポイントで、12年8月から、おおむね上昇傾向で推移し、17年2月に07年ミニバブルの最高値(07年10月の89.32ポイント)を上回りましたが、6月から9月までに再び下回り、10月以降は91ポイント前後で推移しました。今年になってから93ポイント前後で推移し、3月以降はやや低下傾向を示しました。

地域別では東京都は20年6月時点に103.68ポイント(前年同期比2.26ポイント上昇)で、首都圏とほぼ同様の動きを示しており、今年に入ってからもおおむね103ポイントを上回って推移しています。神奈川県は84.00ポイント(同1.24ポイント低下)で、19年に入ってからやや低下傾向が続いています。千葉県は68.27ポイント(同2.06ポイント低下)、埼玉県では74.58ポイント(同0.95ポイント上昇)となりました。

 

首都圏のマンション市場においていは、13年から新築の販売戸数が減少傾向を示している一方、中古の成約戸数はおおむね増加傾向が続いており、16年は中古マンションの成約戸数(3万7189戸)が初めて新築(3万5772戸)を超え、その後も中古が新築を上回る状況が続いています。20年上半期においても新築分譲マンション契約戸数は7497戸に対して、中古マンションの成約戸数は1万6499戸で、2倍以上になりました。首都圏の新築マンションの供給状況から、今後も中古マンションの成約戸数が新築を上回る状況が続くと思われます。

浅見 浩

所属会社:
ライフサポート株式会社
保有資格:
ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士

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