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家・住宅購入コラム

産休・育休中に住宅ローンは組める?

家族が増えるタイミングでマイホームの購入を検討する方も多いかと思います。共働き世帯も増えている中、産休・育休中でも住宅ローンが組めるのか?と心配される方も少なくはないのではないでしょうか?産休・育休中に住宅ローンが利用できるのか?また、利用する際の注意点や必要書類についてお話していきます。

 

■産休・育休中に住宅ローンは組める?

現在は、多くの金融機関で、産休・育休中でも住宅ローンを組むことは可能です。ただし、あくまでも「復職すること」が前提です。出産を機に退職することが決まっていると住宅ローンを組むことはできません。また、本人が復職を望んでいても、出産により本人やお子さんの健康状態によって、これまで通り働けなかったり、保育園や幼稚園の空きがなく希望通りに復職できなかったり、すぐに次のお子さまが産まれて、続けて産休・育休を取得したり、時短によって収入が減ってしまうこともあるので、返済プランは慎重に検討しましょう。
最近は男性も育休を取るケースが増えてきていますが、ご夫婦共が同時に育休中のタイミングで審査に出すと、通らない金融機関もあるので、事前に確認が必要です。

 

■復職の時期に条件はある?

現在、ほとんどの金融機関は、復職の時期についての条件はなくなりました。フラット35は、以前は産休・育休中は利用できませんでしたが、2017年10月から、産休・育休中でも申し込みができるようになりました。原則としては、契約面談日までに復職し、復職証明書等の提出が必要ですが、休職中の資金実行を希望される場合は、機構が「復職の確実性」および「休業期間中の返済の確実性」の確認を行い、懸念がないと判断されれば、復職前の資金実行が可能で、復職予定時期は問われません。金融機関によっては、復職までの期間の支払いが問題ないことを証明するために、その間の返済額相当の自己資金エビデンスの提出を依頼されることもあります。

 

■審査方法は?

産休・育休中の収入は、どう審査されるのでしょうか?こちらは、金融機関によって様々です。直近の源泉徴収票がすでに休職期間が含まれているようであれば、さかのぼって休職前の丸1年間の収入がわかる源泉徴収票をベースに見ていきます。その金額をそのまま100%で見てくれるところや、90%で計算するところ、80%で計算するところ等、様々です。他にも、産休前の直近3ヶ月の給与明細と直近2回の賞与明細を基に、割り戻して年収を出すところもあります。

 

■必要書類は?

上記のように、金融機関によって審査方法が異なるので、基本的にはその都度金融機関に確認が必要になります。一般的には、直近の源泉徴収票、休職前の丸1年間の収入がわかる源泉徴収票、育休証明書(勤務先から発行される、休職期間や復職予定時期が記載されているもの)等が必要になります。育休証明書は金融機関によっては、事前審査の段階では口頭で育休期間を伝えて、正式審査の段階で提出すれば大丈夫なところも多いです。それにプラスして、直近3ヶ月の給与明細や直近2回の賞与明細、育休期間中の返済額相当の自己資金エビデンスの提出等が必要な場合もあります。

 

■産休・育休中に特典を受けられる商品がある

〇三井住友信託銀行『ジュニさぽ』
・2021年1月4日以降にお借入のお客様を対象に、お子様誕生時、6歳の誕生日、15歳の誕生日を迎えたら、その都度住宅ローンの金利を1年間年0.1%優遇
・「ご出産お祝いクーポン」として、西松屋公式オンラインストアで利用できるクーポンや、ダスキンで利用できるクーポンあり

〇三菱UFJ銀行
・ご本人さまより出産前後6ヵ月以内にお申出いただくと、お申出から1年間、適用金利から年0.2%優遇

〇みずほ銀行『子育て応援サービス』
・ライフステージ応援プランおよび返済額増額指定サービスの手数料(1回あたり)5,500円(消費税等を含む)が無料
・みずほ銀行多目的ローン[住宅ローン利用者専用口]の金利を年率▲0.1%
・「ライフスタイルサービス」でうれしい特典をご提供(出産・育児、旅行・スポーツクラブなどの商品・サービスを割引価格でご利用可能)

等があります。注意点としては、契約者の方から連絡を入れないと使えない特典なので、対象になる方は、忘れずに連絡をするようにしてください。

 

■その他の注意点

住宅ローン控除の為にペアローンなどで組んだ場合、産休・育休で収入がないと、その間の税金の支払もないため、住宅ローン控除を受けることが出来ません。
また、仮に復職後に審査に出す場合は、復帰後の最低1ヶ月の給与明細の提出が必要となります。それを基に割り戻して年収を計算しますが、金融機関によっては、賞与も見込みで見てくれるところもありますが、実際に支給されていないと見てくれないところもあります。その場合、実際の年収よりも少なく見られてしまいます。また、時短勤務の場合もベースとなる収入が低くなってしまうので、思ったよりも借りられなかったりします。産休・育休中よりも復職後の審査の方が借入額が少なくなる可能性が高いので注意が必要です。

 

□まとめ

産休・育休中でも住宅ローンを組めることはお伝えしましたが、金融機関での審査では、「復職した後に、安定した収入の確保ができるか?」が一番のポイントになります。まずは、資料をそろえて金融機関に相談をしてみてください。そして、それぞれのライフプランをしっかりと立て、無理のない返済計画をご検討ください。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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