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家・住宅購入コラム

繰り上げ返済?それとも借り換え?

住宅購入から10年経つと、住宅ローン控除の期間が終了し、繰り上げ返済を検討する人も多いかと思います。総返済額を抑えるためには、繰り上げ返済をすることが一番いいのでしょうか?今回は、借り換えとの比較を見ていきたいと思います。

■繰り上げ返済?借り換え?
もちろん繰り上げ返済も十分に効果があるのですが、10年前と大きく違う点があるのです。住宅ローン金利が10年前よりも大幅に下がっているのです。10年前の変動金利の金利優遇を考えると、大体-1.7%程度となっており、実際の適用金利は0.775%前後になります。これに比べ、現在の変動金利は0.3%前後まで下がっており、残りの借入金額や期間によっては、繰り上げ返済を行うより、登記費用や新たな借り入れの手数料はかかりますが、総額の支払い金額は下がる場合があります。

■シミュレーションを見てみましょう
【当時の借り入れ条件の設定】
・借入時期:2013年
・借入金額:5000万円
・借入期間:35年
・金利:0.775%(2.475%から-1.7%の優遇を適用)

<パターン① 繰り上げ返済も借り換えも行わなかった場合>
・月々返済額:135,960円
・ローン総支払額 : 57,103,282円 ※10年間の間にも繰り上げ返済を行っていない場合
<パターン② 2023年に100万円の繰り上げ返済をした場合(期間短縮型)>
・月々返済額:135,960円  ※借入期間が約9ヶ月短縮されます
・ローン総返済額 : 56,892,675円 ※繰上げ返済分100万円を含む
<パターン③ 2023年に残債の3706万円(端数切捨て)を残期間の25年、金利0.33%で借り換え>
・月々返済額:128,716円
・借り換えに係る諸費用:約107万円
※内訳 ・登記料:約20万円
・借り換え先の融資手数料:815,320円
・収入印紙代:3万円
・既存ローンの全額繰上げ返済手数料:約2万円
・ローン総支払額 : 55,999,873円 ※諸費用も含む

以上の結果、繰り上げ返済を行うよりも、借り換えの方が、最終的には約90万円も総支払額が下がりました。さらに、10年前の住宅ローン借入時に保証料型を選択していた場合、保証料も約30万円前後戻ってきます。つまり、条件によっては約120万円も得をすることが可能です。

 

□まとめ
もちろん、借り換えを行うには、それなりに時間と手間がかかります。また、収入や健康面の条件によっては、希望する金融機関での審査が通らない可能性もありますが、一度検討してみるのも良いのではないでしょうか?

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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