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家・住宅購入コラム

【ローコスト住宅がやばい理由】メリットやメーカーの選び方も解説!

ローコスト住宅とは、名前のとおり建築費用を安く抑えられる住宅のことです。一般的に注文住宅や建売住宅よりも安く手に入れられます。

しかし寿命や性能面から「ローコスト住宅はやばい」という意見は少なくありません。

この記事では、ローコスト住宅を検討する際に知っておきたい以下の5点を解説します。

・ローコスト住宅が「やばい」と言われる理由
・ローコスト住宅のメリット
・建築費用の相場
・ローコスト住宅が安くて早い理由
・後悔しないメーカー選びのポイント

納得のいく住宅購入となるように、知識を付けたうえでローコスト住宅を正しく検討しましょう。

ローコスト住宅が「やばい」と言われる理由

はじめに、ローコスト住宅が「やばい」と言われる理由を紹介します。

・寿命が短い
・メンテナンス費用が高くつく
・設備のグレードが低い
・気密性が低い
・自由度が低い
・過去に起こった問題のイメージ

上記の6点は、ローコスト住宅のデメリットとも言えます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

寿命が短い

ローコスト住宅は、耐久性・耐火性・耐震性が低く、寿命が短い傾向にあります。

それぞれの意味は以下のとおりです。

・耐久性:雨風や日光などによる劣化に、どれだけ耐え続けられるか
・耐火性:家の中や近くで起きた火災にどれだけ耐えられるか
・耐震性:地震の揺れに対する強度

すべての住宅は建築基準法に沿って建てられます。建築基準法とは、建築において国民の命や健康、財産を守るための最低限のルールを定めた法律のことです。

もちろんローコスト住宅も、建築基準法に沿って建てられています。しかし建築費用を安く抑えるために、建築基準法の基準を最低限満たすレベルの建材が採用される傾向にあります。そのため、高性能住宅に比べると寿命が短くなってしまうのです。

日本は地震が多く、火災もいつ起こるかわかりません。耐久性・耐火性・耐震性が低いほど、災害時に大きな被害が出るリスクも高まります。

メンテナンス費用が高くつく

耐久性が低い傾向にあるローコスト住宅は、メンテナンスの頻度が高くなることで費用が高くつくというデメリットもあります。

購入した際には安くても、メンテナンス費用を加味すると注文住宅や建売住宅と同じくらいの値段になってしまうこともあります。

住宅に必要なメンテナンスは、主に以下のとおりです。

メンテナンス箇所 メンテナンス内容 目的
屋根・外壁 塗り替え 雨漏り対策・見た目の維持
床下 薬剤の散布 シロアリ対策
キッチン・浴室・洗面・トイレ 設備の取り替え 水漏れ・故障対策
壁・床 張り替え 剥がれによるケガの防止
見た目の維持

また耐火性や耐震性が低いと、火災や地震などの災害で被害が出た場合の修繕費用も高くなってしまいます。

設備のグレードが低い

ローコスト住宅に取り付けられている設備は、グレードが低い傾向にあります。なぜなら設備のグレードが低いほど、建築費用を安く抑えられるためです。

設備のグレードによって、機能の多さや使い勝手、見た目に差が出ます。キッチンやお風呂などの水回り設備は、掃除のしやすさにも影響が出やすいです。

気密性が低い

ローコスト住宅は、グレードの低い断熱材を使用することで、気密性が低くなっていることがあります。グレードの低い断熱材は薄いものが多く、壁や天井、床との間に隙間が出来てしまうのです。

気密性が低いことで、断熱性や防音性も低くなるため、以下のようなデメリットが生まれます。

・外気の影響を受けやすいため、夏は暑くて冬は寒い
・冷暖房設備の効きが悪くなる
・電気代がかかる
・外を走る車の音や騒音が気になる

また断熱材だけでなく、窓のグレードが低いことで断熱性や防音性が低くなることもあります。

自由度が低い

自由度が低いことも、ローコスト住宅のデメリットの1つです。ローコスト住宅は間取りやデザイン、設備の規格が決められていることが多いため、こだわりが強い人には向いていません。

間取りに凹凸が多いと建築費用が上がりやすいため、多くのローコスト住宅はシンプルな四角い間取りが採用されています。注文住宅のような各家庭の生活や好みに合わせた設計は、ローコスト住宅では難しいです。

過去に起こった問題のイメージ

ローコスト住宅は、過去に起こった以下のような問題によって「やばい」というイメージを持たれている面もあります。

・手抜き工事の発覚
・職人の技術が低く、欠陥が見つかる
・現場監督の仕事量が多く、監理が行き届いていない

問題の多くは、人員や予算の不足により発生したものでした。ローコスト住宅を建築する際には、信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。

ローコスト住宅にはメリットもある

ローコスト住宅には、デメリットだけでなく以下のようなメリットもあります。

・建築費用が安い
・完成が早い
・建て替えやすい

1つずつ詳しく解説していきます。

建築費用が安い

ローコスト住宅における最大のメリットは、建築費用を安く抑えられることです。

建築費用を安く抑えられることで、以下のようなメリットも生まれます。

・現在住んでいる賃貸の家賃よりも、月々の支払い額が低くなる可能性がある
・若い世代でもマイホームを持ちやすくなる
・住宅ローンを組む場合、利息を含めた総返済額が安くなる

また、浮いたお金を将来的なリフォームに使ったり、旅費や学費に充てたりすることもできます。

完成が早い

注文してから完成するまでが早いことも、ローコスト住宅のメリットです。一般的な注文住宅は、完成まで半年ほどかかりますが、ローコスト住宅は3ヶ月ほどで完成します。

完成の早さは、以下のようなケースで引っ越しを急いでいる人にとっては大きなメリットになります。

・現在住んでる賃貸マンションの更新時期が来る前に引っ越したい
・妊娠中に引っ越しを終えたい
・子供の通学が始まる前に引っ越したい

建て替えやすい

建築費用が安いと、住宅ローンの返済を早く終わらせることができます。そのため、ローコスト住宅は建て替えを検討しやすいです。

子供の独立や加齢によって、住宅が使いづらくなるケースは少なくありません。ライフステージに合わせて住宅を建て替えることで、より過ごしやすくなります。

ローコスト住宅が安くて早い理由【相場も紹介】

ローコスト住宅における建築費用の安さと完成の早さは、大きなメリットです。この章では、ローコスト住宅が安くて早い理由と、ローコスト住宅の相場を紹介します。

また、以下の2点についても、注文住宅や建売住宅と比較しながら見ていきましょう。

・ローコスト住宅の坪単価
・坪単価の違いによる建築費用の差

ローコスト住宅の相場

ローコスト住宅における建設費用の相場は、1,000万円台と言われています。同じ一戸建てでも、注文住宅や建売住宅に比べるとローコスト住宅は建築費用が安いです。

住宅の坪単価は一般的に、注文住宅・建売住宅・ローコスト住宅の順に安くなります。

住宅の種類 坪単価の目安
注文住宅 70万円〜80万円
建売住宅 50万円〜60万円
ローコスト住宅 30万円〜50万円

坪単価は1坪あたりの価格なので「坪単価 × 実際に建てる住宅の坪数」で建築費用を計算できます。つまり建築費用は、坪単価と住宅の広さによって決まるのです。

坪単価の違いによる建築費用の差を見てみましょう。

坪単価 20坪 30坪 40坪
30万円 600万円 900万円 1,200万円
50万円 1,000万円 1,500万円 2,000万円
80万円 1,600万円 2,400万円 3,200万円

同じ広さでも、坪単価によって建築費用に大きな差が出ることがわかります。1坪あたりの広さは、畳2枚分の広さをイメージしてください。

また住宅を建てる際には、建築費用以外にも土地代や諸費用などがかかるため注意が必要です。

ローコスト住宅が安い理由

ローコスト住宅の建築費用が安い理由として、以下のような項目の規格が決められていることが挙げられます。

・間取り
・キッチンや浴室、トイレなどの設備
・外壁
・壁紙
・床材

間取りのパターンが決められていることで、顧客ごとに設計する必要がなくなります。また設備や建材の規格が決められていると、材料をまとめて安く仕入れた後に、工場で大量生産することが可能です。その結果、人件費や材料費などが安くなり、建築費用の安さにつながります。

また注文住宅や建売住宅のメーカーに比べて広告費をかけていないことも、ローコスト住宅の建築費用が安い要因です。

ローコスト住宅の完成が早い理由

ローコスト住宅の完成が早い理由も、建築費用が安い理由と同じく、間取りや設備などの規格が決められているためです。

ローコスト住宅に使われるパーツは、あらかじめ規格ごとに工場で作られています。パーツを切ったり組み立てたりする作業も工場で行われるため、工事現場での作業時間が短くなります。そのため、注文してから完成するまでの時間も短くなるのです。

工事現場での作業内容も、他の住宅と似ていることが多いため、作業効率も上がります。

後悔しないメーカー選びのポイント

マイホームとしてローコスト住宅を選択する場合、メーカー選びが重要になります。

以下の5つのポイントを押さえたうえで、複数のメーカーを比較しましょう。

・費用
・構造上の強度
・気密性
・間取りや設備の規格
・担当者との相性

費用

住宅本体の購入費用はもちろん、オプションの料金や内容もあわせて確認してください。

床暖房や浴室乾燥機などの設備や、外観や内装におけるデザインの一部がオプションになっている可能性があります。坪単価が同じでも、オプションの料金や内容によって合計金額が大きく変わるため、希望条件を伝えたうえで見積もりを出してもらうことが大切です。

また、メンテナンスなどのアフターサービスを受けられる保証期間も確認しておきましょう。保証期間が短いと、住宅に何かあった際の自己負担が大きくなってしまいます。

構造上の強度

耐久性・耐火性・耐震性といった構造上の強度も重要です。構造上の強度は、安全に住むためだけでなくメンテナンス費用にも関わります。

以下のような項目から、納得できるまで説明してもらうことが大切です。

・災害時の被害想定
・工法
・構造上の強度を証明するデータ

気密性

気密性の高さについても確認しておきましょう。

主に断熱材の種類や工法によって、気密性に大きな差が出ます。気密性は、断熱性と防音性に直結するため、電気代や生活のしやすさを左右する重要なポイントです。

また気密性が低いと、壁の中が結露してカビが生えてしまうリスクもあります。

間取りや設備の規格

多くのローコスト住宅は、設備や間取り、デザインなどの規格が決められています。

規格はメーカーによって異なるため、好みや希望に近い規格のメーカーを選ぶことが大切です。写真やモデルルームなどを見せてもらい、実際の生活をイメージしたうえで検討しましょう。

担当者との相性

住宅は非常に大きな買い物であるため、担当してくれる人との相性も大切です。

やり取りをするうえで、以下のポイントを確かめてください。

・こちらの気持ちを考えてくれているか
・質問に対して的確に回答してくれるか
・連絡のスピードに不安はないか
・約束を守ってくれるか

また明確な理由が無くても、話していて違和感があるようなら相性が悪い証拠です。相談から引き渡しまでを信頼して任せられる担当者がいるメーカーを選びましょう。

まとめ

「ローコスト住宅はやばい」と言われる理由として、寿命の短さや自由度の低さなどが挙げられます。過去に起こった問題によって、ローコスト住宅に対して悪いイメージを持つ人も少なくありません。

しかしローコスト住宅には、建築費用が安いという大きなメリットがあります。間取りやデザインに強いこだわりがなく、建築時のコスト面を重要視する人にはオススメです。

住宅の良し悪しは、各家庭の事情や価値観によって決まります。世間の声やイメージよりも、家族で話し合った結果を軸に住宅を選びましょう。

またローコスト住宅を建てる際には、複数のメーカーを比較したうえで、信頼できる所に依頼することも大切です。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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