住宅ローンの返済比率の目安は?
住宅ローンを借りようとしたとき、いくらまで借入が出来るのかを判断する基準となるのが、返済比率です。返済比率の計算方法や、基準、何パーセントまで借りればいいのかの目安などについて見ていきます。
■返済比率とは?
返済比率とは、『年間返済額÷年収×100』で計算されます。仮に、年収600万円の人が月々12万円の返済額だとすると、返済比率は、(12万円×12ヶ月)÷600万円×100=24%となります。ここで言う年収とは、手取り年収ではなく、税金が引かれる前の額面年収のことです。源泉徴収票だと、一番左の「支払金額」の欄に記載のあるものです。
■返済比率の基準は?
返済比率の基準は、金融機関によって異なります。多くの金融機関は上限を30%~40%で設定しています。年収が400万円未満の場合は、25%となるところもあります。フラット35は、400万円未満だと30%、400万円以上だと35%となっています。計算する際の金利は、実際の適用金利ではなく、審査金利として実際の金利よりも高く設定されています。現在実際の金利だと、変動金利ではキャンペーンなどを利用すると、0.1%台からあり、固定金利でも1%台後半から2%台前半です。それに対して、審査金利は.3.5%前後で設定されているところが多いです。中には、フラット35などのように、実際の金利で審査をするところもあります。他にも借り入れがある場合は、その分も含めて返済比率が計算されます。審査に出す際には、基準となっている返済比率をオーバーしないように注意してください。
■返済比率の目安は?
金融機関の基準では、30%~40%くらいまで借り入れが可能とお話ししましたが、では、実際には何パーセントくらいまで借りるのがいいのでしょうか?一般的には、20%~25%以内に収めるのが理想と言われていますが、同じ年収でも人によって世帯人数も違いますし、子供の教育費にいくらかかるかも違います。パーセンテージだけにとらわれずに、ライフプランを通して、それぞれ無理のない返済計画を立てていく必要があります。
参考までに「2022年度フラット35利用者調査」によると、実際にローンを組んだ人の返済比率は、25%以上30%未満が1番多く27.5%、次に20%以上25%未満が22.4%、次いで15%以上20%未満が18.4%でした。ちなみに、30%以上は4番目の16.6%でした。平均は3年連続で上昇しており、2022年は23.1%(前年度比+0.4ポイント)でした。
審査金利での返済比率と、適用金利での返済比率では差があって分かりにくいと思いますので、参考までに年収600万円の人で、審査金利での返済比率を、約40%、約35%、約30%とした場合の例で見ていきます。
年収600万円、審査金利:3.5%、適用金利:変動金利で0.4%、借入期間は35年とします。
借入金額 審査金利での返済比率 適用金利での返済比率 月々の返済額
4830万円 39.9% 24.6% 12万3256円
4230万円 34.9% 21.5% 10万7945円
3620万円 29.9% 18.4% 9万2378円
□まとめ
金融機関における返済比率は基準をオーバーして申し込むことはできないので、必ず返済比率に収める必要があります。ただし、何パーセントまで借りるのが理想かという点においては、先ほども申し上げたように、世帯によって基準が異なります。今後のライフプランを見据えて、無理のない範囲で借りることが重要です。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.style-system.net
- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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