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進化する住宅ローン

現在の住宅ローンは、従来の従属型雇用形態を前提にしたもので、年齢や勤務先、勤続年数、年収など借りる側の属性で、融資の可否や額などが決定されます。しかし、ジョブ型雇用形態の下では、貸す側はそうした個人の属性よりも、担保物件の将来的な資産価値によらざるを得ません。また、借りる側にとっても、変化の激しいこれからの社会には様々なリスクが想定されます。
長期ローンが持ち家取得に欠かせないとすると、少しでもリスクを減らせる新たなローンを開発することも必要ではないか。例えばローンの返済ができなくなった時には家を売却すれば、仮に売却代金でローンを完済しきれない場合でも残債務が請求されない「ノンリコース型」や、自動車販売でよく使われている「残価設定型」などです。
ノンリコース型は既に、住宅金融支援機構の高齢者を対象にしたリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」で大きな実績を挙げています。これは死亡時に家を売却して借入元金を返済する仕組みですが、ノンリコースなのでローンを借りた親としては子供に負担をかけてしまうのではないかという心配をする必要がありません。20年度実績では、このノンリコース型の利用が圧倒的に多く、全体の99%にも上ります。「リ・バース60」は高齢者が対象となっているため、ノンリコース型の導入が可能になったと言われています。若い人に比べると、借り入れ期間が短いため、地価や建物価格の下落リスクが少ないからです。
同機構では、ノンリコース型が一般向けの長期固定金利住宅ローン「フラット35」でも採用される可能性について、「確かに社会情勢の変化を捉え、国民に多様な住宅ローンを提供していくことは重要と考えている。ノンリコース型は返済に困ったお客様が物件売却後に残った債務について請求を受けないというメリットがある一方、機構が被る損害の負担をどうするかという信用リスク上の課題がある。このような観点から、『リ・バース60』は融資限度額に担保評価額の50%または60%といった要件を設けているが、所要資金の大半を借り入れるケースが多い『フラット35』では、このような要件を設定することは困難と考えられるため、ノンリコース型の導入については慎重な検討が必要と考えている。引き続き、ノンリコース型も含め、市場の動向やニーズ等を踏まえた多様な住宅ローンのあり方について検討を続けていく」と述べます。

また、「フラット35」を専門的に扱っているアルヒでは、コロナを背景に高まっている傾向として、「将来の所得に対する不安を抱く人が従来よりも増えたと感じる。手元にある程度の資金を置いておきたいという意識があるのだろう」といいます。将来不安については、同社が昨春にスタートした住宅ローンに付帯できる「全疾病保障」の保険商品が伸びていることでも実感できるといいます。これは、病気やケガで就業不能となった場合に月々の住宅ローン返済額を保障するものです。
同社は、5月に発表した中期経営計画で「住み替えカンパニーへの進化」を打ち出しました。スムーズな住み替えのためのつなぎ融資を含めた住宅ローン事業だけでなく、家探しから住み替え相談、引っ越しやエネルギーインフラまで一連をサポートしていく方針です。

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