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家・住宅購入コラム

【住宅ローン金利のことは把握していますか?】住宅ローンを借りるときの金利について徹底解説!!

不動産を購入するときには、不動産購入金額が大きいため住宅ローンを借りることが一般的です。
そして、ほとんどの人が住宅ローンの内容を理解せず、不動産仲介会社から勧められた住宅ローンを利用しているのが現状です。
 
しかし、住宅ローンにはさまざま種類があり、本来は住宅ローンの内容を比較検討をしなければなりません。
 
住宅ローン金利の内容で返済金額や返済総額が変わったり、特約の有無により病気になったときの備えをするかしないかが変わったりします。
そのため、住宅ローンについては内容を把握したうえで、借り入れをしていかなければならないのです。
 
住宅ローンの内容を把握するためには、まず金利の違いから知っておくとよいでしょう。
本記事では、住宅ローンの金利からおすすめの住宅ローン取扱金融機関まで紹介しますので住宅ローン比較の参考としてください。
 

そもそも住宅ローンとはどのようなローン?

 
ローンまとめ
 
住宅ローンとは、自宅の取得のために借り入れるローンのことで、主に銀行や住宅金融支援機構から借り入れます。
あくまで自宅を購入するときに利用するローンのため、自宅購入(自宅購入とあわせて行うリフォームなども含む)のためにしか借り入れたお金を使うことはできません。
 
自宅購入にしか利用できない代わりに、カードローンやフリーローンよりも金利が低く設定されています。
 
住宅ローンの返済方法は、元利均等返済、元金均等返済の2種類があります。
元利均等返済は、返済し終わるまで一定の返済額のままですが、返済総額が元金均等返済よりも多くなります。
 
一方、元金均等返済は当初の返済額が大きく、返済するごとに徐々に返済額が減っていきます。
当初の返済額が大きいため元金均等返済を利用する場合には、元利均等返済よりも高い年収を要求されます。
 

住宅ローン金利にはどのようなタイプがある?

 

 
住宅ローンの金利には何種類ものタイプがあり、住宅ローンを借り入れするときには、この金利のタイプを選択します。
住宅ローン金利には次のようなタイプがあります。
 
・変動金利
・全期間固定金利
・固定期間選択型金利
・部分固定金利(部分固定金利特約)
・その他各金利に該当しないタイプ
 
これらの住宅ローン金利タイプをそれぞれ紹介していきます。
 

変動金利

 
変動金利は金利が変動するタイプで、金融機関によりますが半年ごとに金利を見直すことが多い傾向があります。
基準となる金利が上下すると、変動金利も基準金利に合わせ上下します。
 
金利が変動すると支払う金利の額も変動します。
ただし、すぐに返済額が変わると返済に困る人が多く出てしまうため、毎月の返済の金額はしばらく維持されます。
このような理由により、毎月返済額の見直しは半年に1度くらいおこなわれます。
 
金利が上昇したのにも関わらず返済額が変わらないと、返済金額の内訳のほとんどが金利支払いに当てられてしまい、元本の返済が計画通り進まなくなることがあります。
このようになってしまうと返済期間が長くなるなどのデメリットが発生してきます。
 

固定金利

 
固定金利には何種類かのタイプがあるため、各固定金利のタイプごとに紹介していきます。
なお、固定金利のタイプは次のとおりです。
 
・全期間固定金利
・固定期間選択型金利
・部分固定金利
・その他の金利タイプ
 

全期間固定金利

 
借入時から返済までの期間、ずっと同じ金利を適用する固定金利のことを全期間固定金利といいます。
借入期間中の金利は変わらず、毎月の返済額やボーナス返済額、返済総額が借り入れた時点で確定します。
 
全期間固定金利の代表的な住宅ローンはフラット35です。
また、銀行などの金融機関も独自に全期間固定金利タイプの金融商品を扱っています。
 

固定期間選択型金利

 
3年、5年、10年など金利を固定できる期間を選択できるのが固定期間選択型金利です。
選ぶことのできる固定期間の年数は金融機関により異なり、短いタイプの固定期間選択型金利で1年、長いものだと30年があります。
 
固定期間選択型金利は固定した期間が終了すると、再度固定期間選択型金利を選択するか、変動金利を選択し、金利タイプを切り替えることができます。
 

部分固定金利(部分固定金利特約)

 
部分固定金利特約とは、1つの住宅ローンで複数の金利タイプや複数の固定金利期間を組み合わせることができるタイプです。
部分固定金利特約を利用することにより、金利変動リスクを減らすことができます。
 
部分固定金利特約には、次のような特徴があります。
 
・1つの住宅ローンで変動金利と固定金利を併用可能
・複数の固定金利期間を設定可能
・設定した固定金利期間の解約も可能
 
なお、部分固定金利特約は、変動金利を金利タイプとして選択している場合のみ利用できる場合が多いですが、金融機関によって異なるためあらかじめ確認が必要です。
 

その他の金利タイプ

 
新生銀行ではステップダウン金利という金利を採用している金融商品があります。
ステップダウン金利は、返済開始の10年後から5年ごとに金利が下がっていきます。
 
中国ろうきんでは、変動金利(上限金利設定型)というタイプの金融商品があります。
変動金利(上限金利設定型)は、借入から10年間に関してはどれだけ基準金利が上がっても上限金利を超えることがないタイプの金利です。
ただし、通常の変動金利より金利が高く設定されています。
 

変動金利のメリットとデメリット

 
住宅ローンを借りる際に選択する変動金利や固定金利には、それぞれ利用するメリットとデメリットがあります。
ここからは、変動金利を利用するメリットやデメリット、固定金利を利用するメリットやデメリットを紹介していきます。
 

変動金利のメリット

 
変動金利は、他の金利タイプに比べて金利が低いことがメリットです。
変動金利は基準金利が下落したり横ばいだったりした場合、住宅ローンの返済総額が他の金利タイプより少なくて済みます。
 
さらに変動金利には支払額の緩和措置があり、金利が上昇しても毎月の返済額がすぐには上昇しません。
変動金利の返済額の見直しは契約時から半年ごとに行われ、返済額の上昇幅は1.25倍以内に抑えられています。
 
ただし、この緩和措置を実施していない金融機関や、見直しの時期が半年ではない金融機関もあるため注意が必要です。
 

変動金利のデメリット

 
変動金利のデメリットは、金利が上昇してしまうと返済総額も上昇してしまい、返済額や返済期間が当初の計画と変わってきてしまうことです。
 
返済額の緩和措置により毎月の返済額は変わりませんが、返済額内の金利が大きくなるため元本がなかなか減っていきません。
金利上昇の度合いが大きくなると、返済額の上昇幅が抑えられていることもあり、返済額内の元本部分がすべてなくなってしまうことすらあります。
つまり、利息だけ支払い元本がまったく減ってないという事態です。
 
さらに金利が上昇してしまうと、返済額を利息が超えてしまい、未払利息が発生することも考えられます。
このような状態になると、返済し続けても返済総額が増えていってしまいます。
 
なお、住宅ローンは返済期間が満了したとき、支払い不足があるぶんについて金融機関は一括返済を求めてきます。
そのため、変動金利を選択し金利上昇が続いてしまうと、返済期間満了後の一括返済を請求されてしまう恐れがあります。
 

固定金利のメリットとデメリット

 
メリットデメリット
 
ここからは固定金利を利用することのメリットとデメリットについて紹介していきます。
 

固定金利のメリット

 
固定金利のメリットには、返済計画が立てやすいということが挙げられます。
金利が固定されている期間は毎月の返済額が変わらないため、返済計画が立てやすくなります。
基準金利が大きく上昇した場合でも、固定金利選択期間中は金利が上昇しません。
 
固定金利期間の金利上昇がないということは、金利上昇リスクのヘッジが可能ということです。
住宅ローンの金利が上昇した場合でも当初の金利は変更されず、変動金利のように将来未払い利息が発生する可能性はありません。
 
また、固定金利選択型の期間終了時には再度固定金利を選択せず、変動金利を選択することができます。
固定金利を選択したが、変動金利に切り替えたいという場合には、固定金利の期間終了ごとに金利タイプを選択することができる柔軟さがあります。
なお、一般的に変動金利から固定金利に変更することはできません。
 

固定金利のデメリット

 
固定金利は、変動金利よりも金利が高い傾向にあります。
そのため、住宅ローンを借入した後に基準金利が下がった場合、支払利息や総返済額が変動金利よりも相対的に多くなります。
 
なお、金融機関によっては固定金利の再選択時に手数料が発生することがあります。
この場合、固定金利を再度選択しない場合は、変動金利へ自動的に変更されます。
 

変動金利おすすめ金融機関

 

 
ここからは、住宅ローンの変動金利がおすすめな金融機関を紹介していきます。
おすすめの各金融機関の変動金利や事務手数料、保証金、特徴などを表にまとめました。
 
変動金利おすすめ金融機関表

auじぶん銀行 PayPay銀行 みずほ銀行
変動金利 0.289% 0.380% 0.375%
事務手数料 借入額 × 2.2% 借入額 × 2.2% 借入額 × 2.2%+33,000円
保証金 0円 0円 0円
特徴 無料の団体信用生命保険が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」特約があります。
また、全疾病保障、月次返済保障が無料で付帯します。
がん100%保障団信が、金利0.1%の上乗せで加入可能です。 返済期間は変更せず、一定期間返済額を増減したり、借り入れ期間を延長したりできるライフステージ応援プランがあります。

※2022年8月27日現在
 

固定金利おすすめ金融機関

 

 
続いて紹介する固定金利のおすすめ金融機関は、10年固定金利、30年~35年固定金利とおすすめの金融機関に分けて紹介していきます。
 
10年固定金利おすすめ金融機関

みずほ銀行 新生銀行 ソニー銀行
10年固定金利 0.950% 1.000% 1.100%
事務手数料 借入額 × 2.2%+44,000円 55,000円 借入額×2.2%
保証金 0円 0円 0円
特徴 返済期間を変更せず、一定期間返済額を増減したり、借り入れ期間を延長したりできるライフステージ応援プランがあります。 長期固定にはステップダウン金利と長期固定金利がある。
ステップダウン金利タイプは、10年後以降5年ごとに金利が当初金利の10%ぶんずつ下がる金融商品です。
がんになった場合は住宅ローン残高が半分になるがん団信50%団信が無料で付帯しています。

※2022年8月27日現在
 
次は、30年~35年固定金利のおすすめ金融機関を紹介します。
 
30年~35年固定金利おすすめ金融機関

アルヒ りそな銀行 住信SBIネット銀行
30~35年
固定金利
1.070% 1.195% 1.080%
事務手数料 借入額×2.2% 借入額×2.2% 借入額×2.2%
保証金 0円 0円 0円
特徴 通常のフラット35に加えて、頭金の割合が多くなるほど金利が低くなるというスーパーフラットという金融商品を取り扱っています。 オプション保険として、16の特定状態や所定の要介護状態を保障する充実の団体信用生命保険があります。 通常の団信に加えて、全疾病保障(8疾病+病気・ケガ)を無料で付帯しています。
さらに、女性にはがん診断で30万円支給されます。

※2022年8月27日現在
 
変動金利、10年固定金利、30年~35年固定金利それぞれのおすすめ金融機関を紹介してきましたが、金融機関により金利や事務手数料、特徴が異なります。
金利だけで住宅ローンを選択するのではなく、各項目を比較して住宅ローンを選択していきましょう。
 

まとめ

 
まとめ
 
住宅ローン金利には大きく分けて、変動金利と固定金利があります。
この2つの金利は金利が安い、高い以外にも特徴があり、利用することのメリットやデメリットを持ち合わせています。
そのため、両者のメリットやデメリットを把握したうえで、変動金利を選択するのか固定金利を選択するのか決めていかなければなりません。
 
そして、変動金利か固定金利を選択してから金融機関それぞれの特徴を比較していきます。
金利の低さや高さはもちろんのこと、住宅ローンを借り入れるときに必要な諸経費の比較、住宅ローンに付けられる特約の比較なども行います。
このような比較を行って自分にあった住宅ローン商品を見つけていきます。
 
しかし、自分に合った住宅ローン商品がなかなか見つからない、そもそもどれを選択していいかわからない、ということもあるでしょう。
その場合には、金融機関の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
 
自身のライフプランから適切な住宅ローン商品を見つけ、余裕のある返済、安心して借りられる特約を付与して住宅ローンを借りるようにしていくことが重要です。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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