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家・住宅購入コラム

22年地価公示

国土交通省は3月22日、地価公示を発表しました。22年1月1日時点の地価公示は、全国の全用途平均は0.6%上昇(前年比プラス1.1ポイント)で2年ぶりに上昇に転じました。全国の用途別動向を見ると、住宅地は0.5%上昇(同プラス0.9ポイント)、商業地は0.4%上昇(同プラス1.2ポイント)でどちらも2年ぶりに上昇となりました。工業地は2.0%上昇(同プラス1.2ポイント)で6年連続の上昇となりました。
全国の最高価格値は、東京都中央区の商業地「中央5の22」(山野楽器銀座本店)。1平米当たり5300万円(1.1%下落)となり、16年連続の最高価格地となりました。新型コロナウィルスの影響から外国人観光客関連の需要がほぼ消失し、店舗の収益性が低下しているため地価下落が継続。ただ、国内客により人流は回復傾向にあり、21年地価公示(7.1%下落)から下落率は縮小しました。

国土交通省地価公示室は、新型コロナウィルスの影響が徐々に緩和される中で、「21年から回復傾向が見られる」と総括します。住宅地では景況感の改善を背景にコロナ前からの低金利環境の継続、住宅取得支援策等による下支え効果による住宅需要の回復に加え、都市中心部の希少性が高い住宅地や交通利便性に優れた住宅地で上昇が継続していると指摘。「生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化などで、周辺部にも上昇範囲が拡大している」と分析し、東京圏では吉祥寺駅(東京都武蔵野市)や浦和駅(埼玉県さいたま市)を例示しました。
商業地では、都市近郊部で店舗やマンション用地に対する需要が高まり、上昇に転じた地点が多くみられる点が特徴です。

コロナ化で2度目となった22年の地価公示。21年は商業地を中心に下落地点が広がったが、今回は、変動率プラスの都道府県数は住宅地が20(前年比12増)、商業地は15(同8増)となるなど緩やかな回復の様相を示しました。同じく変動率プラスの都道府県庁所在地では、住宅地が31(同15増)、商業地は25(同10増)となりました。中でも住宅地の札幌市(9.3%上昇)と商業地の福岡市(9.4%上昇)は、それぞれ二桁に迫る上昇率に拡大しています。
地域別で見ても、上昇に転じた地点が目立ちます。三大都市圏の全用途平均は0.7%上昇(前年比プラス1.4ポイント)で、住宅地は0.5%上昇(同プラス1.1ポイント)、商業地は0.7%上昇(同プラス2.0ポイント)。このうち大阪圏の商業地が0.0%(同プラス1.8ポイント)で横ばいとなった以外は、各圏域の全用途平均・住宅地・商業地はいずれも2年ぶりに上昇に転じました。
東京圏は、住宅地で上昇範囲が拡大。中でも東京23区全体では1.5%上昇(前年比プラス2.0ポイント)となり、港区、目黒区で上昇が継続したほか、その他21区が下落から上昇に転じました。国土交通省地価公示室によれば、富裕層を中心にマンション取得意欲が旺盛で、住宅需要は堅調だと言います。また、商業地では、東京23区全体が0.7%上昇(同プラス2.8ポイント)。このうち、千代田区、中央区、港区の都心3区では、飲食や観光客に関連した需要の減退、オフィス市況の先行き不透明感などから下落が続いています。
名古屋圏は、全用途平均が1.2%上昇(前年比プラス2.3ポイント)、住宅地が1.0%上昇(同プラス2.0ポイント)、商業地が1.7%上昇(同プラス3.4ポイント)と、三大都市圏の中でいずれも変動率が大きかったです。住宅地では、名古屋市におけるマンション用地需要の回復や、西三河地域における自動車産業の業績回復に伴う住宅取得意欲などがけん引。商業地では「名古屋市中心部は金融緩和の影響から投資市場は堅調。西三河地域でも駅至近でマンション需要が見込める商業地の需要が高い」(同地価公示室)といいます。
21年に1.8%下落(20年比マイナス8.7ポイント)と大きく下落した大阪圏の商業地も0.0%の横ばいに回復しました。これまでインバウンドへの依存度が大きかった地点では、店舗やホテル等の収益性低下が続いているため、中心部の大阪市では1.1%下落(前年比プラス3.3ポイント)と下落が継続しています。
地方圏を見ると、地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の地価上昇が顕著です。住宅地では中心部への接近性に優れ生活利便性の高い地域で、また、商業地ではターミナル駅周辺や再開発による拠点性向上が見込まれる地域で上昇が見られます。特に札幌市、福岡市は住宅地、商業地ともに上昇率が拡大し、5~9%台の上昇となりました。
変動率上位の10地点を見ても、住宅地では北広島市や石狩市など北海道内の地点が独占。人口集中が進む札幌市からの需要の広がりで顕著で、相対的な割安感から住宅地、商業地共に地価が上昇していることが分かります。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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