21年首都圏マンション市場
不動産経済研究所は1月25日、21年の首都圏マンション市場動向をまとめ、公表しました。供給戸数の合計は3万3636戸で、コロナ禍による営業自粛などの影響の大きかった20年から2割以上増加。2年ぶりに3万戸台へと回復するとともに、19年(3万1238戸)も上回りました。
また、戸当たり平均価格は6260万円で3年連続上昇、1平米当たり単価は93.6万円で9年連続上昇。いずれもこれまで最も高かった90年(6123万円、93.4万円)を上回り、73年の調査開始以来の最高価格を更新する“バブル期越え”の水準となっています。
エリア別の平均価格を見ると、東京23区が戸当たり8293万円(前年比7.5%増)、1平米当たり単価128.2万円(同2.5%増)で、過去最高の91年(戸当たり8667万円、単価155.3万円)には届かないものの価格上昇が著しい。また埼玉県も戸当たり4801万円(同5.2%増)、単価70.7万円(同6.0%増)で、特に単価の上昇が目立ちます。
半面、東京都下と神奈川県は戸当たり・単価共に下落し、千葉県では単価は上昇したものの戸当たりは下落。主に東京23区の価格高騰が、全体の平均を押し上げている様子が鮮明に浮かび上がりました。
供給戸数の首都圏合計は3万3636戸(同23.5%増)。エリア別では、神奈川県が8609戸(同54.1%増)で大幅に増加したほか、埼玉県が4451戸(同32.2%増)、東京23区が1万3290戸(同21.8%増)と二桁増。東京都下のみ同9.9%減の2921戸で前年を下回りました。
初月契約率は平均73.3%(同7.3ポイント上昇)で、好調の目安とされる70%を6年ぶりに超えました。東京都下で同25.2ポイント上昇の74.8%と急回復したほか、千葉県では80.3%(同3.4ポイント上昇)と12年以来9年ぶりの8割台となりました。そのほか、全エリアで前年を上回り、70%を超えています。
売れ行きの好調を反映し、12月末の販売在庫数は6848戸(同2057戸減)で15年以来6年ぶりの低水準となりました。同社は22年の供給戸数について、同1.1%増の3万4000戸を見込んでいます。
なお、21年12月単月の平均価格は5384万円(前年同月比4.2%減)で6ヶ月ぶりの減少、単価は80.6万円(同3.7%減)で2ヶ月連続減となりました。供給戸数は6649戸で同9.7%減少しています。
近畿圏の21年市場動向を見ると、戸当たり平均価格は4562万円(前年比9.1%増)で91年(5552万円)以来の高水準。また1平米当たり単価は75.1万円(同8.7%増)で過去最高となりました。和歌山県の戸当たり(増減なし)以外の全エリアで戸当たり・単価共に増加。特に上昇率が高かったのは、戸当たりが大阪市部の4800万円(同16.2%増)、単価が神戸市部の79.5万円(同22.9%増)となっています。
供給戸数は同24.7%増の1万8951戸。奈良県と和歌山県では減少したものの、そのほかのエリアではすべて二桁の増加となり、近畿圏でも供給戸数の回復傾向が見られました。
ただし、初月契約率の平均は同1.9ポイント下落の69.8%となっており、12年ぶりに70%を下回りました。年末在庫数も4400戸(同805戸増)で2年連続増加しており、同社は「価格高騰による需給悪化が懸念」としています。22年の供給戸数は21年と同水準の1万8500戸を見込みます。
21ねン12月単月の平均価格は4274万円(前年同月比9.2%増)、単価は71.1万円(同6.9%増)で、共に2ヶ月連続の増加。供給戸数は2812戸(同9.4%減)で3ヶ月ぶりに減少しました。
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徳本 友一郎
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