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家・住宅購入コラム

10月の建築着工統計調査報告

国土交通省は11月30日、22年10月の建築着工統計調査報告を発表しました。それによると、新設住宅着工戸数は7万6590戸(前年同月比1.8%減)で、直近10年間(10月分)ではコロナ禍で迎えた20年10月(7万685戸)に次ぐ、下から2番目の水準となりました。貸家と分譲住宅は増加したが、持ち家は減少が続いたため、総計では3ヶ月ぶりの減少。特に持ち家は、消費マインドの低下に伴う受注の減少等を要因に10月としては最低水準になりました。
10月の新設着工床面積は603万平米(前年同月比5.6%減)で2ヶ月連続で減少しました。季節調整済年率換算値は87万1000戸(前月比1.5%増)で先月の減少から再びの増加となりました。
利用関係別で見ると、持ち家は2万1834戸(前年同月比18.7%減)で11ヶ月連続の減少となり、直近10年間でも最低水準になりました。同省住宅局は、「一部事業者からは、ウクライナ情勢に伴う資材価格の高騰により、顧客の消費マインドの低下が影響していると聞く。春から夏にかけての受注が減少しているのではないか」と説明しました。.
貸家は3万1996戸(同7.3%増)で、20ヶ月連続の増加となりました。このうち民間資金による貸家は2万8991戸(同4.5%増)と4ヶ月連続で増加し、公的資金による貸家も3005戸(同44.7%増)で先月の減少から再びの増加となりました。
分譲住宅は全体で2万1841戸(同4.8%増)となり、3ヶ月連続で増加。このうちマンションは9298戸(同10.2%増)で3ヶ月連続増。戸建て住宅は1万2462戸(同1.4%増)で18ヶ月連続の増加となりました。
地域別で見ると、首都圏は貸家が前年同月比1.5%減で、全国と異なる動きを示しました。また、中部圏及びその他地域では全国動向と異なり、分譲住宅が減少。特にその他地域では分譲マンションの大幅減(前年同月比35.1%減)を受け、分譲住宅全体でも二桁減となりました。一方、近畿圏では貸家が前年同月比41.2%増となり、総戸数でも二桁増となりました。
同省建設経済統計調査室では、18ヶ月連続増の一戸建て住宅を中心に分譲住宅の増加が続く一方で、持ち家の着工戸数の減少幅が拡大している点を指摘。「11月24日に公表された月例経済報告では、9月の着工状況を受けて住宅建設は底堅いとされ、持ち家についても前月の弱含みから横ばいになっているとの評価でした。今後は二桁減となった10月の持ち家戸数を受けてどのように評価されるか注視が必要」とコメントしました。
なお、同調査室では、同統計調査について長野県から4~9月分の報告に誤りがあったとして訂正を行っています。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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